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談合防止へ新対策 土工協がコンプライアンス委設置20070428建設通信

 日本土木工業協会(葉山莞児会長)は26日、新たな入札談合再発防止策を決めた。具体的には「コンプライアンス特別委員会(委員長・葉山会長)」を設置し、相談・支援を行うほか、新たに設ける情報窓口に寄せられた不正行為情報への対応や、入札談合によって指名停止を受けた会員企業の協会事業参加停止を判断する。入札談合関与の会員企業に厳しい対応を示すとともに、違法行為につながる可能性に対し、団体として取り組む姿勢を鮮明に打ち出した格好だ。

 特別委は、11日の理事会で設置が承認され、20日に初会合を開き運営方針を決めていた。

 特別委の委員長は葉山会長が務め、副委員長の山本卓朗副会長・広報委員長と中村満義副会長・経営企画委員長、委員の加藤久郎総務委員長、大石勝経営企画小委員会ワーキンググループ座長、白田慶司同委員で構成する。

 土工協が特別委を通じて行う新たな業務は、(1)相談・支援(2)情報窓口の設置と情報への対応(3)新たに規定した「協会事業への参加停止等の措置要領」に基づく対象企業への措置審議――の3項目。

 協会事業への参加停止措置は、入札談合で独占禁止法、刑法、官製談合防止法に違反し指名停止を受けた会員企業に対し、▽総会や理事会、委員会などの会議・公式行事への参加停止▽役職停止▽会員としての活動停止――を勧告する。

 適用は措置要領・運用方針が決定した26日以降に発注された国及び地方自治体の土木工事。26日以前の発注工事にはそ及しない。

 措置判断時期は、国土交通省からの指名停止後に審議し、措置期間は指名停止期間を参考に特別委が決定する。措置範囲は全国が対象。

 また新たな業務の「相談・支援」では、勧告を行った会員企業への再発防止の指導・助言のほか、コンプライアンス(法令順守)体制の整備が遅れている会員企業を視野に、独禁法順守体制整備マニュアルの作成・提示をする予定。さらに社内研修の講師や弁護士なども紹介する。

 一方、土工協内部に設置する情報窓口は、会員企業の不適切行為や、会員以外の企業や発注機関の不適切な行為・制度によって会員企業に影響がある情報を受け付ける。情報提供者は会員企業の役員、社員に限定し、匿名は認めない。

 受け付けた情報は、違反行為未然防止を目的に会員企業へ情報を提供するほか、国交省などに対する相談、公正取引委員会への通報などで対応していく。

【新たなコンプライアンス対策のポイント】

(1)コンプライアンス特別委員会を設置

・入札談合の未然防止を目的にした「相談・支援」・会員企業の不適切行為及び会員外、発注機関の不適切行為の情報を受け付ける「情報窓口」への対応

・会員企業の団体活動参加停止措置の審議

・参加停止措置要領作成

(2)協会事業への参加停止措置運用

・入札談合で指名停止を受けた会員企業の団体活動参加停止

・対象は4月26日以降の公共土木工事発注

【解説・魅力ある産業への試金石】

 建設業団体でコンプライアンス(法令順守)徹底へ向けた取り組みが加速している。入札談合を対象にした日本土木工業協会、不祥事全体を対象にする日本建設業団体連合会のほか、全国建設業協会も新たな委員会の設置を決めた。

 3月の名古屋市発注の地下鉄工事をめぐる談合事件など、不祥事による建設業界に対する信用の失墜に対する強い危機感が、業界団体を突き動かしたことは間違いない。

 特に土工協は、個別企業が行うコンプライアンス体制整備の一環である「情報窓口」をあえて設置したことで、昨年打ち出した旧来のしきたりからの決別宣言を実効させる強いメッセージとなった。

 「業界団体が違法行為の情報を集めてどうする」「違法行為を取り締まる行政のお先棒担ぎ」などの異論も承知の上で、あえて“駆け込み寺”的な情報窓口を設置したのは、脱談合へ向け構造的な問題にも徹底的に取り組む意思を打ち出す狙いがある。

 旧来のしきたりからの決別宣言と提言は、大手を中心に脱談合と違法行為につながりかねない課題を指摘し、大きな波紋を呼んだが、違法行為の防止はあくまで個別企業に委ねられた。

 しかし今回、これまで個別企業マターだった、発注機関の不適切な制度運用や官製談合につながる不適切な行為に対しても、土工協が対応することを決めたことで、入札談合を排除する団体であることをより強く示す形となった。

 結果的にコンプライアンス徹底への特別組織は、違法行為に対して会員に厳しく対応する一方で、発注者側の問題を解決するための強力なエンジンとなる。

 さらに、構造的な問題を解決する改革姿勢を鮮明にすることで、土工協という業界団体と加盟企業に対して新たな存在価値・評価が生まれるメリットもある。

 ただ、新たなメリットは、新たなデメリットを生む可能性とも裏腹の関係にもある。

 あえて言えば、リスクを承知で強い改革路線に踏み出したのは、建設業界に対する信頼回復が容易ではないことの裏返しでもある。

 その意味で、新たなコンプライアンス徹底への取り組みとは、建設業界の大命題である魅力ある産業づくりへの試金石と言える。

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