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経審改正 中建審部会に国交省案提示 完工高偏重を是正、経営能力に重点20070518建設工業
国土交通省は17日、中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)ワーキンググループ経審改正専門部会(東海幹夫委員長)の第3回会合に、経営事項審査(経審)評価項目の改正案を提示した。評点テーブルの修正だけでなく、評価項目も大幅に見直す内容で、完成工事高の評価ウエートを大幅に引き下げ、自己資本額や利益といった経営能力と、社会性などに対する評価に重点を置く。一方、持ち株会社制など新たな企業経営形態に対応した「企業集団(グループ)経審」の認定要件緩和については、論点整理を行うにとどめており、結論は6月中旬に開く次回会合に持ち越した。
評価項目の改正案では、完工高評価の上限を現行の2000億円から1000億円に引き下げるとともに、総合評定(P)値に対するウエートを0・35から0・25に低下させる。完工高評価を薄める代わりに、自己資本と「利払い前税引き前償却前利益」(EBITDA=営業利益+減価償却費)を全額評価する。経営状況分析(Y)評点は現行の12評価指標を抜本的に見直し、倒産判別に関連の深い8指標を新たに採用する。固定資産や有利子負債の影響は現行よりも緩和し、利払い金額の多寡を評価する内容に改める。
技術力(Z)評点は新たに元請け完工高を評価対象にするほか、評価対象の技術者数の上限引き上げ、基幹技能者の加点評価などを盛り込んだ。合わせて、1人の技術者に対する重複カウントは2業種までに制限する。現行で階段式の評点テーブルは線形化する。社会性(W)評点では、社会保険の未加入業者に対する減点幅を広げるほか、過去1〜2年以内に建設業法上の行政処分を受けていれば減点する項目も新設する。研究開発費は、業種単位での算出が難しいことから、会計監査を受けている企業に限定した上でW点で評価する。長年地域に根差して活動してきた企業や、防災活動に積極的に取り組んできた業者ほど高い点数が出る仕組みにする。
同日の会合で委員からは、「Z評点で元請け完工高を新たに評価すると、完工高のウエートが高いままとなり、利潤を重視する改正の方向性とは異なる」「会計監査を受けているゼネコンは限られている。財務諸表作成責任者名の明記など、信頼性を向上させる方策を何か考えた方が良い」といった意見が出された。
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