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下水ガス わずか数年で金属樋がボロボロに20070521日経ホームビルダー

 写真は東海地方のある住宅会社が撮影した、ガルバリウム鋼板製の雨樋の腐食部分。引き渡しからわずか数年でエルボーの部分がさびてボロボロになり、穴が開いてしまった。

 同社では昨年、雨樋が腐食したというクレームが立て続けに3物件で起きた。いずれの住宅も浄化槽地域に建っていたという。腐食した雨樋は汚水ますに直結されており、そのますには浄化槽の放流口が接続されていた。

 住宅会社はすっかり困惑していた。「樋が腐食したということは、壁も屋根も腐食するということなのか」と住まい手に詰め寄られた。3棟の住宅の建設地は離れており、最初は原因がまったく分からなかった。社内の建築士が1棟当たり丸1日かけて点検し、樋以外は腐食していないことを確認したものの、不安は残った。

ガルバリウムだけでなくステンレスも
 この樋を製造するメーカーに取材したところ、「浄化槽地域では、1年に数件という頻度で同様の腐食が起きている。ガルバリウム鋼板だけでなく、ステンレスも腐食しているようだ。浄化槽からガスが出ているらしいが、どんなガスかは分からない。カタログで注意喚起している」との回答が返ってきた。

 メーカーの資料には、確かに「水封トラップにより下水ガスの影響を防止してください」との表記があった。「下水ガス」とはいったい何なのか?浄化槽の専門家に疑問をぶつけてみると、浄化槽からは硫化水素ガスや塩素ガスが発生することがわかった。

 汚水ますを通じて浄化槽と雨樋が直結していたために、樋の内部に残った水滴などとこれらのガスが化合して金属を腐食させた。これが金属樋腐食のメカニズムだった。

 最近、浄化槽の塩素剤は無機系から有機系に切り替わったが、この「有機系塩素剤」は無機系の塩素剤に比べると長期間にわたって、より多くの塩素ガスを出すという。日本には400万基から500万基の浄化槽が存在するとされており、現在はそのすべてに「有機系塩素剤」が使われている。浄化槽地域ではガスを確実に排出できる排水経路の設計が必要になる。


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