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**ニッコン 建設経営通信 【第244号】**
■ Question 1
当社は、国交省の工事を受注していますが、その工事は現時点では完成していますが、発注者が行う完成検査がまだ行われていない状況です。
このように工事が完成していれば、この工事に配置している専任の主任技術者を、これから入札される別の一般指名競争入札工事の予定配置技術者として申請してもいいのでしょうか。
■ Answer 1
照会は主任技術者の専任配置義務に関する問合せですが、公共工事を受注した元請業者にあって、専任の主任技術者を配置する義務が課されている工事とは極めて限定されますし、例えば監理技術者制度運用マニュアル(平成16年3月1日国総建第315号)では、専任義務の課されている主任技術者も「監理技術者等」として監理技術者と同様に取り扱うこととしていますので、この運用マニュアルに則して説明します。
同通知の別添三「監理技術者等の工事現場における専任(2)監理技術者等の専任期間」では、たとえ契約工期期間中であっても工事現場への専任を要しない期間を4点挙げていますが、その4では次のよう規定しています。
4.工事完成後、検査が終了し(発注者の都合により検査が遅れた場合を除く。)、事務手続、後片付け等のみが残っている期間
したがって、照会のケースでは、発注者による工事の完成検査が発注者の都合で遅れていて実施されない場合は別として、そうでない場合には依然専任義務が課されている期間になると思われます。
■ Question 2
当社では時期によって繁忙期と閑散期の落差が大きく、特に繁忙期での現場代理人の配置等で営業と工事の意見対立が尽きません。どのようにしたら良いでしょうか。
■ Answer 2
あなたの企業では年間の受注目標をさらに月ごとに設定し、営業部門の中で月ごとの受注目標を達成するための管理(コントロール)をどの程度行っているだろうか。
企業によっては、この月別の目標が不明確であったり、設定されていても目標達成できてもできなくても「しょうがない」で終わってしまっているところもある。
このような企業に共通して言えるのは月別の出来高目標が企業内で明確になっていないことにある。
出来高目標とは1年間の完工高の目標を12ヶ月に配分したものであり、仮にある企業が年間60億円の完工高を上げなくてはならないと仮定すれば月平均5億円の出来高を上げなくてはならない(実際には季節指数等により均等にはならないが)。
特に官庁工事の比率の高い企業の場合、1年の中で年末および年度末の時期の出来高は非常に高く、逆に5月〜8月ごろの閑散期は出来高が低い。
営業サイドからすれば年間の受注目標の達成が大命題であるが、企業経営的には12ヶ月の出来高をコンスタントに積み上げていかなくては目標の完工高が上げられず、求める収益が達成できなくなる可能性が出てくる。
そこで、営業組織は単に年間受注目標の帳尻を合わせるのではなく、月別の受注目標をクリアすることにより、工事部門に安定した出来高を上げさせ、企業収益に貢献しなくてはならない。
これをアドバンス営業と言う。
月ごとに安定した受注を上げるために営業管理職は工事見込案件の見込み度についての判定基準を持ち、案件の受注可能性を見極めながら受注をコントロールしなければならない。
これは、営業チーム全体の受注管理のみならず工事部門との連携においても極めて重要である。
なぜなら、建築・土木の別を問わず、受注した工事は現場代理人を当てはめなければならないし、現場代理人がいなければ受注したくてもできないことにもなる。
そのため工事部門は技術者の空き状況をみながら適切な人員を割り振らねばならず、工事部門サイドからすれば「いつから技術者を配置するのか」の状況をあらかじめ把握しながらローテーションを管理していくことが大事なのである。
見込み判定は企業によってA,B、Cなどのアルファベットや内定、見込み、運動中などのことばで何らかのランク付けを行っている。
ただ、それらの見込み判定の基準がきわめて営業担当者の主観的な判断でランク付けされているケースがほとんどである。
このような見込み判定基準では、当月の受注予定が崩れたり、あるいは見込み度の弱かった工事案件がいきなり受注に上がったりして、工事部門との現場代理人調整に支障をきたすことになったりする。
そこで、営業チームの中で見込み度を受注確率ごとにランク付けする際にその根拠となる基準を明確にすべきである。
主な見込み判定の基準としては発注(決定)時期、予算把握、キーマンとの接触、競合の状況、資金の手当て、見積価格の反応等々についての状況が受注に有利に動いているのかどうかで見込み度を判断していく。
つまりは、これら複数の判断基準がある程度満たされていなければ安易に見込み度を高くしてはならないということであり、そしてこれらの判断基準を工事部門などの関連部門と共有化することにより、お互いに今後の受注予定を確認しながら工事部門は現場代理人の配置を検討し、積算や設計部門などは見込み度の高低をふまえて工事物件ごとに積算や設計業務の優先順位付けなどを行っていく。
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