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中央道・石川高架橋のアンカー163本が長さ不足、検討委は「重大な問題は起きない」と判断20080428日経コンストラクション

 中日本高速道路会社は4月25日、東京都八王子市にある中央自動車道の石川高架橋で支承を固定するアンカーボルトに長さ不足が見つかった問題で、横浜国立大学の池田尚治名誉教授を委員長とする第三者の専門家の意見を聞く検討委員会を開催。当面、地震で倒壊するなどの重大な問題は起きないと判断した。

 支承を交換する工事をしていた3月18日にアンカーボルトの長さ不足を発見して以降、中日本高速道路会社は石川高架橋のすべての支承144基を緊急調査した。超音波による非破壊検査などの調査で、支承を固定するアンカーボルト全336本のうち、163本で長さが不足していたことがわかった。この中には、設計の長さ50cmに対して25cm未満のものが12本あり、最も短いものは24.4cmだった。溶接して継ぎ足したものも2本あった。

 検討委員会は、緊急調査の結果や安全性をそれぞれ点検。アンカーボルトの直径が設計どおりの太さでせん断に対する耐力を期待できることや、支承を上と下ではさみ込む鋳鉄製の沓(しゅう)と呼ぶ部品にある突起が上部構造と下部構造に埋め込まれていることなどから、アンカーボルトの長さが不足していた個所でも水平方向の動きに対する耐力があると判断。さらに橋桁は144基の支承で支えており、橋脚も耐震補強しているので、安全上の問題はないと判断した。

 アンカーボルトの長さ不足や溶接したものを使用した理由についても、中日本高速道路会社は発注者の旧道路公団(現在の中日本高速道路会社)や施工会社の旧オリエンタルコンクリート(現在のオリエンタル白石)を対象に調査した。だが、石川高架橋は開通が1967年と古く、資料が残っていなかった。加えて、当時の担当者は定年退職するなどしており、理由はわからなかった。

 下部構造と上部構造の位置にずれが生じた結果、用意していた長さのアンカーボルトが入りきらなかった、というのが検討委員会の推測だ。

 アンカーボルトのうち、溶接して継いでいたものは、2本の鋼材が接するラインに沿って両側を線状にフレア溶接していた。一部を点状に溶接する点付け溶接とは異なり、フレア溶接は手間がかかる。こうしたことから、「単純な手抜きだったとは考えにくい。溶接して継げば、アンカーボルトの直径分だけ差し込む位置を修正することができると考えたのではないか」(池田委員長)と推測している。

 短いアンカーボルトが使われていた点でも、意図的に短くしたとは考えにくい。アンカーボルトの長さを短くしても、ボルトの価格はわずかな差にしかならないと検討委員会は説明している。

 今後、アンカーボルトの強度などをより詳しく把握するために、追加で試験や調査をする。長さが不足したアンカーボルトは、引き抜き試験で垂直方向の動きに対する耐力を測定する。溶接したアンカーボルトは埋め込み長さを改めて測定し、溶接個所の強度を引っ張り試験で確かめる。

 中日本高速道路会社は7上旬までに開く2回目の検討委員会で、追加して行う試験や検査の結果を加えて、長期的な対応を決める。これまでアンカーボルトを非破壊で調査するために、約60万円の費用がかかった。費用の負担を施工会社のオリエンタル白石に求めるかどうかは、まだ決まっていない。


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