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「自然再生事業の取り組みが不十分」、国交省などに総務省が勧告20080430日経コンストラクション
 
 総務省は、2003年1月に施行した自然再生推進法や同年4月に閣議決定した自然再生基本方針(以下、自然再生推進政策)に基づいた自然再生事業がどの程度、効果を上げているかなどについて調査。結果を政策評価書としてまとめ、4月22日に発表した。

 自然再生事業の数や事業に参加する組織の数が増えるなど、一定の効果はあったとする一方で、運営面や効果などで課題も多く見られるとして、国土交通省や農林水産省、環境省(以下、主務省)に対して取り組みの改善を求めている。

 調査結果によれば、自然再生推進政策の開始以降、自然再生協議会は法制定前の約11倍に当たる87、自然再生活動を手がけるNPO法人(特定非営利活動法人)は同約4倍の753、都道府県が進める自然再生事業数は同約8倍の88と、それぞれ大きく増加していることがわかった。

 総務省は、これを自然再生事業の取り組みが社会に浸透したことを示すものと評価。自然再生事業が地域活性化につながった例として、北海道の釧路湿原自然再生協議会や兵庫県のコウノトリ野生復帰推進連絡協議会なども併せて紹介している。

ほとんどが地域ではなく行政機関が主導

 一方、各地で進行中の自然再生協議会には、課題が多くあるとしている。

 例えば、調査時点で存在する87の自然再生協議会のうち、自然再生推進政策に基づく法定協議会はわずか18しかない。しかも、18の法定協議会のうち、ほとんどは関係行政機関が主導する体制をとっており、自然再生推進政策が掲げる地域主導型になっていない。こうした現状を踏まえ、協議会に対する支援の充実や強化を図り、地域住民やNPO法人が主体的に取り組むことができる環境づくりに努めるよう主務省に対して、指示している。

 政策評価書は法定協議会の運営面にも言及。同協議会に参加する複数の組織の合意形成が図れずに事業が頓挫(とんざ)した例、さらには解散にまで至ったケースもあると指摘。円滑に合意に至らせる工夫や、自然環境の専門家からなる分科会を効果的に活用して科学的知見に基づく協議を進めることなどを主務省に促している。

 国の支援も不十分だという。例えば、自然推進事業の総合的、効率的な推進を図るために2003年度に設けた地方ブロック会議が機能しておらず、関係省庁間の連絡調整がうまくとれていない。さらに、主務省が設けた相談窓口も2007年12月までの利用件数がわずか16件と生かし切れていない。政策評価書は主務省に対し、自然再生推進協議会がこれらの機関を十分に活用するように、普及啓発活動を推進するなどの措置をとるように勧告している。

 同調査は、地方公共団体やNPO法人、地域住民などを対象にした意識調査と自然再生協議会などを対象とした実地調査からなる。意識調査では、自然再生事業の取り組みが社会にどの程度、浸透したかを調査した。実地調査では、自然再生協議会の設置経緯や運営方法、運営状況のほか、各協議会に対する国側の支援状況などについて調べた。


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