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**ニッコン 建設経営通信 【第253号】**
■ Question 1
当社は総合建設業で元請、下請どちらも実績がありますが、今回、新規取引で大手ゼネコンA社の下請をすることになりました。
しかし、A社の下請契約の方法は、基本契約書の締結や個別の工事請負契約書の締結はなく、注文書に建設工事下請契約約款(第1条〜第44条)が添付され割り印がなされ、その注文書は、「A社××支店」が記載された会社印のみが押印されているものです。
当社はそれに対して注文請書を発行しています。
当社では、従来から当社の発行する請書には会社代表者の記名押印をしていたのですが、今回はA社の担当者の意向では、こちらからの注文請書についても代表者名は特に必要でないとのことでした。
「注文書」及び「注文請書」どちらも契約書ですので、契約権限者の記名押印が基本と思ってこれまで対処してきたところですが、このようなケースでも建設業法上問題はないのでしょうか。
■ Answer 1
照会のあった今回の注文書・注文請書の交換に際しては、基本契約書あるいは個別の工事請負契約書の締結はなく、「注文書及び請書のみによる場合」に該当するものであり、注文書に建設工事下請契約書が添付され割り印がなされているという状況のようです。
しかし、この方法では、貴社から発行する注文請書に建設業法19条1項各号が添付又は印刷されていないこと、それから、照会に有りますとおり注文書・注文請書に注文者・受注者が記名押印をしていないこと、の諸点から建設業法上不適切な契約形態になっているおそれが強いと思われます。
したがって、建設業行政が適切と認めている基本契約書の締結あるいは個別の工事請負契約書の締結に基づく注文書・請書の交換方法に変更することを含めて、A社と改めて協議することをおすすめします。
■ Question 2
4月に改正された経審は、企業規模が小さいと不利だと聞きましたが実際には如何なのでしょうか?
■ Answer 2
改正前の経審では、完工高評点(X1)と技術力評点(Z)を除いては、企業規模(完工高または売上高)に対する経営状況のバランスで評価してきました。
しかし、今回の改正で自己資本額及び利益額評点(X2)と経営状況評点(Y)の利益剰余金、営業キャッシュフローでは、規模的なバランスの評価ではなく絶対額の評価となりました。
この4つの評価の変更により、規模が大きいほど有利になりました。つまり、企業規模が小さいと不利となったといえます。
さらに、いかにバランスが良い企業でも規模が小さいと高得点は取れなくなりました。
具体的には、改正前の経審で完工高規模が数億円規模でもY点が1000点から1200点台の企業は多く見受けられましたが、改正した経審でこの規模では1000点を超えることはかなり難しいでしょう。
利益剰余金、営業キャッシュフローを除く6つの指標で最高点をとり、利益剰余金、営業キャッシフローが5,000万円あったとして経営状況評点(Y)は1110点となります。
この点数を確保することはかなり大変な数値といえます。
また、規模が大きいから評点が高くなるわけではありません。
自己資本の充実、利益の確保をできていない企業はいくら大きくても評点が高くなることはないということを理解しておかねばなりません。
このように、企業規模の有利・不利が大きく生じることとなりましたが、企業規模が何倍以上も違う企業での話であって、同規模の中での点数に関しては経営バランスのとれた企業の評点が高くなることは間違いありません。
従いまして、利益を上げ自己資本を充実できる体質作りができる企業を目指すことにより評点のアップを実現していくようにしてください。
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