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**ニッコン e-建設経営通信 【第260号】**
((Question1)
最近、逆スライドという文字を目にしましたが、どういうことでしょうか。
単品スライド条項に関連しているような内容でしたが。
(Answer1)
発注者と元請業者とで締結される請負契約約款には、3つの物価変動条項があることは既に照会・回答しております。このうち逆スライドということが現実化しつつあるのは、国土交通省が6月に通知した単品スライド条項についてです。
当初は、燃料油、鋼材類の2資材について単品ごとに予定価格積算時の単価が工事施工中に高騰した場合、ある一定以上になった場合には、元請業者も一部負担(足切り)した以上の金額は、発注者が負担するというものです。
これはそもそも不測の事態における「負担の公平」とでも位置づけられるものです。
したがって、今度は、資材の価格が予定価格積算時の単価より低くなってきてその差額が大きくなると、逆にその一部を元請業者は発注者に返還しなければなりません。
これを俗に「逆スライド」と読んでいます(減額された請負代金額が発注者に返還されることはなく、最終契約変更の際に減額調整される形がほとんどです)。
このような逆スライドは物価変動条項にはほとんどといっていいほど含まれており、要は、元請業者ばかりではなく、発注者側からも物価変動条項を発動することがあるということなのです。
現に、1年以上の長期契約に適用される長期スライド条項の適用状況をみてみますと、平成18年度国土交通省直轄工事では、10件適用がありましたが、増額が約7億5千万円、減額が2億円弱となっており、いわゆる逆スライドは一般に見受けられるものなのです。
(Question2)
当社は、創業当時から職人集団(技能工の集まり)として営んできました。
最近は、仕事も少なくなり、売りである職人の給料を支払うのもままならない状況
になってきています。同業者からも「お宅は職人が多いね。それでよくやっていけ
てるね」とまで言われるようになりました。自分としては、出来ればこのスタイル
を変えないで、乗り切りたいと考えていますが、先が読めない状況ではその判断も
グラついてしまいます。方向性を教えてください。
(Answer2)
この方向が正しい、この方向は誤りという断定的なことは言えませんが、一つの見方として、お聞きいただければと思います。
公共土木工事の元請仕事に関しては、施工管理者は明確にしなければなりませんが、施工技能者(職人)は社内又は社外にお願いする形になります。
公共工事中心の企業は、高齢化してきている施工技能者を常時雇い入れる体力がなくなってきており、どんどん外注化(下請化)しているようです。
加えて、発注案件あたりの絶対金額も低くなってきており、それに対応するために施工管理者をアサインしていくと施工管理者自体が不足するありさまです。
ひどいところでは、施工管理者と施工技能者両方を外注化しているところがあるという事例も聞こえてきます。
そのような中で、中堅ゼネコンの一部では、一昨年あたりから施工技能者を雇い入れ(又は育成し)、技能を強化策として実施し始めているところもでてきました。
この部分は、これからのポイントと考えられると思います。
元請仕事量は減っても、発注案件がある以上、下請仕事量は減らないと考えられます。
今の状況を鑑みますと、技術者登録制度(JACIC・CORINS)がある限り、元請企業は施工管理者を増やすしか受注量を確保する手段がありません。
本来であれば、施工管理能力を持った施工技能者がいれば理想的ですがそうもいきません。
小回りが利いて、良い仕上がりをしてくれる職人さんがいれば、その職人さんを必要とする元請企業はまだまだあると思います。
今必要なのは、勝つための施工班をつくることではないでしょうか。
職人個々人の技能の棚卸しを実施して、最強の施工班を作ってみませんか。
それが出来れば、営業展開(営業活動)は楽になると思います。
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