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PPP・PFI事業費 2020年度までに合計2兆円 国交省成長戦略素案20100430建設通信
国土交通省の成長戦略会議(座長・長谷川閑史武田薬品工業社長)は28日、とりまとめ素案を提示した。2020年度までに達成する目標や11年度予算要求に盛り込む施策、2−3年後の実現を目指す政策など提示した。国交省関連のPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)・PFI事業費は、目標年度までの合計で2兆円とし、PFI事業を妨げる既存制度の規制を必要に応じて緩和できる機能をPFI法に盛り込むことなどを提案している。都市再生特別措置法の延長・拡充、大都市圏戦略基本法の制定も盛り込んだ。5月下旬に最終報告をまとめる。
国際・官民連携分野では、11年度からの施策として「地域の建設企業国際展開推進協議会(仮称)」の設立によるセミナー開催などで地域建設会社の海外展開を支援する。国内規格の国際標準化も進めるため、「建設業による収益性の低い部門の撤退・縮小とPPPなどの成長分野の開拓支援」を進める。政府による金融支援機能を強化するため、インフラファンド組成の検討や組織体制の構築を11年度から始め、貿易保険の活用促進などは2−3年後の実現を目指す。
PPP・PFIの推進では、鉄道・空港事業でのコンセッション方式(施設の所有権を移転せずに民間に事業運営や開発に関する権利を長期間付与する)の導入のほか、PFI促進税制の改善、適切な調達手続きの設定を盛り込んだ。公物管理権の民間への部分開放に向け、11年度に制度改正する。PFI事業を妨げる既存制度のさまざまな規制を必要に応じて緩和できるようにするため、PFI法に特例措置機能を組み込む。内閣府のPFI推進委員会に働きかける考えだ。
住宅・都市分野では、都市再生特別措置法を10年度中に延長・拡充し、容積率の緩和、税制減免などを実施する「国際競争拠点特区(仮称)」を設定する。「大都市圏戦略基本法(仮称)」では、国家戦略による「大都市圏戦略」を11年度に策定する。具体的な国際競争力強化プロジェクトとして東京駅周辺などでの国際ビジネスセンター、ツーリズム振興の拠点、コンベンション機能や研究開発機能強化を通じた国際的交流拠点などの形成を示した。
地域ポテンシャルの発現に向け、「新しい公共」による地域づくりを実現する制度構築を11年度予算概算要求から進める。コンパクトシティーの実現のため、郊外の新市街地開発型事業の抑制なども進め、二酸化炭素(CO2)削減のための「低炭素都市づくりガイドライン」も10年度早期に作成する。
インスペクションが実施される瑕疵保険付きリフォームや中古住宅購入も支援し、マンション建て替えのための決議要件見直しも進める。
11年度には、サービス付きの高齢者賃貸住宅登録制度の導入や事業者への融資も実施する。エコ住宅の普及に向けエネルギー貯蓄・制御システムの導入などによる「まるごとエコ化」のための先進的取り組み支援も予定している。
航空分野では、羽田新国際線旅客ターミナルの拡充のための事業者による検討開始を求め、さらなる容量拡大に向けた「新たな滑走路の可能性も視野に入れた施設整備」を明記した。新しい空港建設や滑走路増設など大型投資は、計画段階で第三者機関が精査する仕組みを構築し、PPP・PFIを最大限活用する。特別会計の空港整備勘定は当面、維持する。
海洋分野では、国際コンテナ戦略港湾と国際バルク戦略港湾の選定を盛り込んだ。観光分野では、2−3年後に観光拠点地域を選定することなどを示した。
【成長戦略の主な目標(2020年度)】
〈住宅・都市分野〉
▽都市整備分野の国家戦略プロジェクト推進や老朽ビル建て替えなどで最大5−8兆円程度の民間投資
▽広域的官民連携主体数を200とし、地域戦略実現による経済効果を3兆円
▽全国市町村の枢要約1200地区すべてで、まちの維持管理・リニューアルを実施する官民連携組織が活動
▽まちなか居住人口7%増
▽中心市街地活性化法で認定された市町村で年間500万tのCO2削減
▽GDPに占める住宅投資の割合を3%台から5%に
▽高齢者人口に対する高齢者向け住まいの割合を3−5%に
▽二重サッシや複層ガラスなど一定の省エネ対策を講じた住宅ストック比率を21%からおおむね50%に
〈国際・官民連携〉
▽国内企業が獲得した海外受注のうち国交省が積極的に働きかけて官民連携で新たに獲得した海外受注高を合計10兆円以上に
▽国交省関連のPPP・PFI事業費を合計2兆円に(年間平均約2000億円)
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