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ドイツ、「脱原発」から転換 平均12年運転延長へ20100907朝日

 【ベルリン=松井健】ドイツのメルケル政権は5日、2020年ごろまでに全廃する予定だった国内の原子力発電所の運転を平均で12年間延長する方針を決定した。「脱原発」の先頭を走ってきたドイツだが、世界的に原発回帰が進む中、「安定的なエネルギー」や産業競争力を求める声に従い、「脱・脱原発」へとカジを切る形になった。

 政権側は同時に、風力などの再生可能エネルギーが発電総量に占める割合を高める方針も打ち出した。だが、野党や環境団体などは、原発延命に強く反発している。

 連立を組むキリスト教民主・社会同盟(同盟)と自由民主党の首脳と関係閣僚が5日夜の協議で決めた。同夜のレットゲン環境相らの説明によると、現在国内に17基ある原発のうち、1980年以前に建設された原発は従来計画より8年間、80年以降建造の原発は14年間、それぞれ稼働を延長する。従来計画では原発の運転期間は運転開始から原則32年間としていた。独メディアによると、今回の方針転換で、40年ごろまで原発の運転が続くことになる。

 運転延長の恩恵を被る電力業界に来年から6年間、年間23億ユーロ(約2500億円)の「原発燃料税」などの負担を課し、財政再建や再生可能エネルギーへの投資にあてる。政権側は無関係としているが、運転延長の見返りと見られている。ただ、産業界は新税には反発している。

 98年に誕生した社会民主党と緑の党によるシュレーダー政権は「脱原発」を掲げ、20年ごろまでの全廃を決めた。これまでに2基の原発が停止され、風力や太陽光など再生可能エネルギーの普及に力を入れてきた。05年の総選挙を受け、シュレーダー政権に代わって社会民主党と同盟が発足させた第1次メルケル政権(大連立政権)も、その方針を継続していた。

 だが、昨年9月の総選挙で発足した第2次メルケル政権は原発延命を打ち出し、調整を続けてきた。政府・与党は「温室効果ガス削減に原発は必要」「産業競争力を維持するために、安定し経済的なエネルギーが必要」「再生可能エネルギー開発への投資を確保するためにも原発の稼働が必要」と説明してきた。

 政府側は6日の会見で、50年までの長期エネルギー構想を発表。再生可能エネルギーが発電に占める割合を30年までに50%、50年までに80%にする目標を掲げた。

 野党・社会民主党や緑の党、環境保護団体は、「ドイツにとって暗黒の日だ」(グリーンピース)などと批判した。野党側からは「憲法裁判所に訴える」との声も出ており、今後も連邦議会などで議論が続くと見られる。

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