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トンネル爆発事故:ガスの危険性、認識甘く20120531毎日
作業員7人が死傷した新潟県南魚沼市のトンネル爆発事故から31日で1週間。現場周辺はガスの発生する地質として知られながら、死亡した4人はガスの検知器を持たずにトンネルに入っていた。施工業者や発注元の国に、ガスの危険性に対する認識の甘さはなかったのか。新潟県警は業務上過失致死傷容疑で事故原因の究明を進めている。【小林多美子、塚本恒、真野敏幸、川畑さおり】
◇佐藤工業「検知、掘削中だけ」
「新潟でのトンネル工事でガスの危険性があることはどの業者でも分かる。作業内容にかかわらずガス検知はする」。ある準大手ゼネコン関係者はいう。
だが、工事を受注した準大手ゼネコン「佐藤工業」(東京都中央区)社員ら4人は24日、ガス検知器を持たずに入坑。ガスが原因とみられる爆発の犠牲となった。新潟県警の司法解剖では、いずれも爆風による外傷性ショック死だった。
着工前の07年3月、発注元の国土交通省北陸地方整備局から現場のガスの危険性を伝えられた佐藤工業は「可燃ガスを毎日測定、記録する」との施工計画書を提出していた。実際はどうだったか。
同社は29日の記者会見で「掘削中は毎日測定する」との社内ルールはあるが、今回は点検作業だったと主張。昨年7月の工事中断前に掘削は終えており、4人の入坑目的は入り口から1・2キロ地点にある換気設備の点検だったので、検知器を携えていなかった可能性があるという。「施工計画書が今回の作業にも適用されるかはこれからの議論」と述べた。
整備局は「計画書通り、作業内容に関係なく坑内に入る際は測定していると信じていた」と反発する。
新潟県は天然ガスの生産量が全国の約7割を占める。今回の工事も当初は別ルートで計画されていたが、ガスが確認されたために約500メートル離れた現ルートに変更されていた。トンネル工事に携わる業界団体役員は「特に長期間工事が中断した現場に行く場合、ガス発生の危険性がある場所ならガス検知をすべきだ」と指摘する。
◇地方整備局「防爆は業者の判断」
4人が点検予定だった換気設備は火花を抑える「防爆構造」ではなかった。このタイプは「可燃性ガスが存在し、危険な濃度に達する可能性のある場合」に使うよう、国交省指針は定めている。現場のガスの危険性も、「防爆構造」ではないことも知りながら、整備局が改善を指導していなかったのはなぜか。
整備局担当者は「こちらから高価な防爆構造のものを求めることはない」と発注者の立場を強調する。「防爆」でないことは、設備の規格書を佐藤工業から渡された08年から把握していた。大阪府の送風機メーカーによると、防爆仕様は通常の設備より2〜3倍高額。着工前の現地調査に基づき「防爆」でなくても安全だと佐藤工業が判断した以上、指導は無用という理屈だ。
今回工事の請負契約も、基になった国交省の標準約款も、工事中の安全管理を含め「施工業者の責任で一切の手段を定める」としている。整備局担当者は「国は目的物が完成すればいい」と話す。
関西大学社会安全学部の金子信也助教(労働安全衛生論)は「今回の事故が、発注元責任を唱えるきっかけになれば」と指摘する。
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こんばんは。
発注する前に、競争入札させて一番安い所を選ぶ。
コストだけを優先する。
安い理由は何かを削っている訳ですが、それは考えない。
事故が起きたら、工事を受けた業者に全て責任を押し付ける。
発注側が安全に作業するか内容を点検し、できる業者を選定すればいいはずなのですが、それをすると高くなるからやらない。
行政だけではないと思いますが、発注する時に、安全は最優先にしない、というのが現実だということです。
原発災害で、原発が安全を最優先に考えていないことを感じますが、根っこは似ているように思います。
社会は安全よりもコストが優先なのです。
2012/5/31(木) 午後 10:28 [ ザキ ]