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太田「さざえ堂」大修理 江戸期の姿復元20121029読売
太田市教委は27日、同市東今泉町の曹源寺にある県指定重要文化財の観音堂「さざえ堂」の修理を決めた。江戸時代に建てられたさざえ堂の修理は、1976(昭和51)年以来で、約1億800万円をかけた大規模修理になる。2015年度に開始、3年間で創建時の姿に戻す予定だ。
同寺のさざえ堂は高さ16・8メートルで外観は2階建てに見えるが、内部は3階建ての構造になっている。
江戸時代に本堂が焼け落ちた後、本堂として使われてきた。観音像など110体以上の仏像を右回りで拝観でき、一巡すれば全国100か所の観音像を拝んだことになるという。
同市教委や同寺によると、国内に現存するさざえ堂は、関東と東北地方に6棟。同寺のものは、その中で最も古い1793(寛政5)年に建立されたと伝えられる。そのため、今回の修理で棟札など建立年を具体的に示す資料が見つかれば、最古が確定すると、同市教委は期待する。
76年の修理で屋根瓦を吹き替えたが柱はそのまま残した。現在は柱がすでに傾き、3階の正面窓はサッシ窓がなければ隙間から雨が吹き込むほど老朽化しているという。
昨年の東日本大震災では建物に被害はなかったものの、今回の修理に先立つ調査では、構造計算上は倒壊と診断される域に達しているとの結果が出た。
県の補助金も得て行う今回の修理は、屋根瓦をいったん下ろし、壁を取り除いたうえで柱を垂直に戻す予定だ。修理後は出来る限り創建当時の姿に戻すほか、報告書を作成して次の修理が必要な際に役立てる方針だ。
同寺住職の星野真往さん(69)は、今回の修理に対し、「次の時代に安心して布教に精進できるような環境をつくりたい」と意気込んでいる。
同市教委文化財課も「建立年の確認を期待したい」としている。
◇さざえ堂 サザエの貝殻のようにらせん状に中を参拝できることから名付けられ、江戸時代に普及した三十三観音・百観音信仰を背景に関東と東北地方で建てられた。曹源寺に加え、埼玉県本庄市と福島県会津若松市のものをあわせて「日本三さざえ堂」とも呼ばれる。
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