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解体工事の石綿対策/発注者責任を明確化/環境省専門委20121122建設通信
【法改正で規制強化事前調査義務付け】
解体工事のアスベスト(石綿)飛散防止へ大幅な規制強化を含む、「大気汚染防止法(大防法)改正」の方向性が21日固まった。最大の特徴は原因者負担の原則に基づいて、発注者に石綿飛散防止で一定の責任を負わせる点。具体的には、解体前の事前調査を義務付けるほか、立ち入り権限強化や罰則も追加する。また、現在、大防法で施工業者に義務付けている「特定粉じん排出等作業実施届け出」義務を、発注者に義務付ける。 今回、法改正の方向性を盛り込んだ中間報告には、解体工事の石綿飛散防止に対し、「適切な施工業者に適正価格で発注」の文言も盛り込まれた。石綿が使用されている可能性が高い建築物は約280万棟。法改正で規制強化されれば、事前調査義務付け、適正価格発注などで建設業界にとっては、解体工事の適正利益確保への追い風になる。
21日、中央環境審議会(環境相の諮問機関)大気環境部会の石綿飛散防止専門委員会(委員長・浅野直人福岡大教授)で、法改正による規制強化の方向性を示した「中間報告案」を大筋了承した。専門委は諮問機関ではないため、12月にも中環審大気環境部会に中間報告を提示、承認されれば部会が答申し、環境省は法改正する予定。
中間報告案で今後の規制強化の柱として打ち出したのが、建築物の解体工事(改造、補修含む)に着手する前に、特定建築材料(吹きつけ石綿、石綿含有断熱材、石綿含有保温材及び石綿含有耐火被覆材で石綿質量が0.1%以上)の使用状況把握のための事前調査の義務付けだ。
また事前調査の信頼性確保のために、将来的には適正な調査ができる調査機関の登録制度創設も盛り込んだ。
これまでも労働者の健康被害防止の視点で、厚生労働省が石綿障害予防規則(石綿則)で、事業者に事前調査が義務付けられていた。
中間報告案どおりに今後、法改正・規制強化されれば、大防法上の事前調査と特定粉じん排出作業実施届け出が発注者の義務となるほか、大気濃度測定義務化や石綿除去後の完了検査などによって、発注者が低価格・短工期を施工業者に求めた結果、石綿飛散を招くといった問題の抑止になる。解体工事を受注する企業にとっても、解体工事とは別に事前調査そのものが新たな市場になるメリットがある。
事前調査が発注者責任となることで、事前調査だけの費用計上がしやすくなるほか、調査結果次第で解体工事費が変動し、請負額に反映されるのがその理由だ。
石綿が使われている特定建築材料が使用されていると想定される建築物は、国土交通省によると1956年から2006年までに約280万棟ある。これら建築物の解体・改修工事の増加が今後予想されることから、今回の規制強化につながった。
〈石綿飛散防止対策強化のポイント〉
◆注文者(発注者)責任の明確化
・飛散防止は原因者負担の原則により注文者が一定の責任を負う
◆事前調査の義務付け
・特定建築材料の使用状況把握を義務付け
◆特定粉じん排出等作業の実施届け出主体変更
・届け出義務者を施工業者から注文者に変更
◆立ち入り権限強化
・都道府県の立ち入り権限の対象を拡大
◆大気濃度測定の義務付け
◆大気濃度測定に係る評価基準及び測定方法
◆特定建築材料以外の石綿含有)
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広陵町でアスベストが使用された倉庫が無届けで解体された問題で、工事を発注した大阪市のクレーン会社を建設リサイクル法違反容疑で県警に刑事告発するよう県に求めた県議会の百条委員会の決定について、荒井正吾知事は、「百条委員会の結論を重く受け止め、早急に刑事告発を行うことにしたい」と述べた。
刑事告発を求めた百条委の調査報告書は、県議会で可決されている。
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2013/7/20(土) 午後 3:45 [ 高砂でカネミ油症を考える ]