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敦賀原発 「活断層」との結論は拙速だ20130516読売社説

 科学的に十分根拠のある結論と言えるのか。極めて疑問である。

 福井県にある日本原子力発電敦賀原子力発電所2号機の真下を通る断層について、原子力規制委員会の専門家チームが15日、活断層だと断定する報告書をまとめた。

 活断層の真上に原発の重要施設を建てることは国の基準で認められていない。来週開かれる規制委の定例会で、このまま報告書が了承されれば、2号機の再稼働は厳しくなる。廃炉の可能性も取りざたされている。

 報告書は、敷地の端に原電が掘った穴で見つかった短い断層に着目し、地震を引き起こす活断層と認定した。さらに、2号機の真下を通る断層も、この短い断層の延長だと結論づけた。

 しかし、この短い断層が2号機の真下の断層につながると、どうして言い切れるのか。報告書は明確な根拠を示していない。

 原電は、規制委の前身である経済産業省原子力安全・保安院の指示を受け、敷地内を掘削するなど調査に取り組んでいる。6月にも調査結果をまとめる方針だ。

 専門家チームの堤浩之京都大准教授は会合で、「根幹にかかわるデータがかなり不足している。調査が進んだ段階で議論した方が実りがある」と、最終結論とすることに異論を唱えた。

 もっともな見解である。

 専門家チームの藤本光一郎東京学芸大准教授も、「学術論文には到底書けないもの」と、報告書の根拠の乏しさを認めた。

 専門家チームをまとめる島崎邦彦規制委委員長代理は、会合が始まった昨秋から「活断層の可能性が高い」と強調してきた。

 当初は会合で原電の発言をほとんど認めず、説明の機会を設けても、発言を遮ったり、途中で持論を展開したりした。

 結論ありきの公正さを欠く運営だと言わざるを得ない。

 福井県の西川一誠知事が、「科学と技術の両面から幅広く意見を聞くべきだ」と、県議会などで規制委に対する注文を繰り返してきたのは、当然だろう。

 焦点となる2号機の真下を通る断層について、原電は12万〜13万年前以降は動いておらず、活断層ではないと主張している。断層中の土壌の分析に基づくもので、裏付け調査を急いでいる。

 科学的評価は、十分なデータを踏まえ、多彩な専門家で議論することが前提だ。規制委は、原電の調査が継続している段階で、拙速に結論を出すべきではない。

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