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施工の無駄をソフトで排除、ダッソー20130527日経アーキテクチュア
ダッソー・システムズ(東京都港区)は5月20日、建設業界向けのプロジェクト管理用ソフトウエア製品群「リーン・コンストラクション」を発表した。施工段階での作業時間や工数の無駄を削減するためのもの。主に建設会社向けの製品で、価格は最小構成で約1000万円前後だ。
リーン・コンストラクションは、4つのソフトウエアで構成する。(1)CADやBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)による設計データや設計要件など関連するドキュメント情報、コスト情報といったデータを管理するための「ENOVIA(エノビア)」、(2)プレキャストコンクリートや鉄骨などの生産ラインを管理したり、クレーンや足場などの手配を管理したりするための「DELMIA(デルミア)」、(3)3次元で作業指示書を作成・管理する「3DVIA(3Dヴィア)」、(4)異なるデータ形式であっても検索を可能にする検索エンジンの「EXALEAD(エグザリード)」の4製品だ。最小構成に入るのは、「ENOVIA」と「3DVIA」となる。
リーン・コンストラクションの開発コンセプトは、製造業で手本となったトヨタ生産方式を建設業に取り入れようというもの。工程間の待ち時間や在庫、運搬といった無駄を徹底的に排除しようという考え方だ。例えば、製造業ではかんばん方式に代表される管理手法などが浸透した。しかし、建設業は製造業と異なり、何千もの同一製品を生産するわけではない。基本的に1つずつ異なるものを、異なる現場で建設していく。
この点について、ダッソー・システムズで建設業界を担当する森脇明夫マーケティングディレクターは、「工場でプレキャストにするプロジェクトが増えている。当社の調べでは建設プロジェクトには、待ち時間や作業の手戻りなどによって、コストのうち3割は無駄がある。現場所長のノウハウだけに依存するのではなく、ソフトでプロジェクトを見える化することで、これらの無駄は排除できる」と説明する。また、会社全体で抱える複数のプロジェクトを統合管理することができ、「全社で赤字プロジェクトをなくすためにも使える」と話す。
ただし、効果を上げるには、設計段階から施工図のレベルまでBIM化してあることが望ましいと言う。国際標準である出力フォーマット「IFC」に準拠したデータであれば、ダッソー製のCADソフトで作成したデータでなくとも、リーン・コンストラクションで管理できる。「フルBIM化に挑戦している建設会社などにアプローチしたい」(森脇氏)。
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