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ロングブーム機/ズリ出し前に吹付け/清水建設、古河ロックドリル20130726建設通信
清水建設は、山岳トンネル工事の掘削直後、ズリ出しの前段階で吹付け作業を行う新技術を確立した。古河ロックドリルと共同で専用の施工機「ロングブーム吹付け機」を開発、ズリが堆積した状態での吹付け作業を可能とした。掘削直後の吹付けで切羽の安定が早まるほか、切羽から離れて作業できるため安全性も高まる。一方、大断面トンネルでは吹付けとズリ出しの並行作業ができ、工期短縮に貢献する。清水建設は、今後発注が見込まれる大型案件での適用も視野に入れ、積極的に提案していく。
通常の山岳トンネルでは、発破後のズリを出した後で吹付けを行う。ただ、ズリ出し作業中は切羽が無支保状態のため、地山が緩んで変形する可能性がある。実際、地山が脆弱な現場では苦労するケースも多い。
こうした山岳トンネル特有の課題を解決するため、両社は1年半程度をかけてロングブーム吹付け機の開発を進めてきた。吹付け機のマニュピュレーターを延長したことで、水平距離で最大17m、従来の1.4倍の範囲を吹付けることができるようになった。上下左右の吹付け範囲も拡大し、より広い断面に対応する。
専用機の開発では、事前に中古機でさまざまなシミュレーションを行い、設計に反映させた。ブームやノズルをスライドさせる作業時には重心が大きく変化するため、安定性やバランスの確保が大きな課題となった。一方、自走式のため走行時の安定性なども求められた。両社はこうした課題をクリアして実用機を作製し、施工現場に投入することにした。
初適用した現場は、清水建設・岩田地崎建設JVが山梨県で施工中の中部横断自動車道宮狩トンネル工事。現在、この現場では掘削直後のズリが堆積した状態で、吹付け作業に着手している。こうした工程改革によって、地山の緩みなどによる手戻りを抑制すると同時に、高い安全性も確保している。
大断面トンネルでは、吹付けとズリ出しの並行作業が可能で工期短縮につながることから、清水建設は今後発注が見込まれる山岳トンネル工事に提案し、発注者の急速施工ニーズに応えていく方針だ。
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