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三井不・鹿島 長周期地震動、屋上で制震 日本初の実用化20130730SankeiBis

 東日本大震災の教訓を踏まえ、既存の高層ビルの耐震性を強化する改修工事が相次いでいる。建設・不動産各社は、震源から遠く離れた地域の高層ビルをゆっくりと大きく揺らす「長周期地震動」などへの対応に注力。三井不動産と鹿島が29日発表した新型の大型制震装置はビル屋上に設置することで、長周期地震動の揺れを大幅に低減させる効果があるという。

 三井不動産と鹿島が開発した制震装置は内部にある約300トンの振り子式の重りが地震の揺れと逆方向に動き、建物の振動エネルギーを吸収する仕組み。超高層ビルの揺れ対策の制震装置としては日本で初めて実用化に成功した。第1弾として三井不動産が運営する新宿三井ビルディング(東京都新宿区)に6基導入。8月中旬に着工、2015年4月末の完成を目指す。設置費は約50億円。

 東日本大震災の発生時に地上55階建て、高さ210メートルの新宿三井ビルの揺れ幅は片側で約1メートルに及んだが新装置の設置後は同様の地震だと約6割減の約40センチで済み、揺れる時間も約12分から約10分に短縮できるという。

 築38年の新宿三井ビルは現状でも十分な耐震性能を持つが、三井不動産は「最新鋭の高層ビル並みの制震構造を実現することで、入居するテナントに安心感を提供する」(丸山裕弘運営企画部長)と説明している。

 屋上に設置するため工事中はビル内への影響はなく、テナントの業務に支障は来さない。鹿島は「台風など暴風雨の揺れ対策にも有効」として、他の既存高層ビルでも受注を狙う。

 一方、大林組は大阪府の発注を受け、今秋の完成を目指して大阪市住之江区の同府咲州(さきしま)庁舎(地上55階建て、高さ256メートル)の改修に取り組んでいる。

 東日本大震災では震度3の揺れを観測し、同庁舎は約10分間揺れ続けた。約150カ所に大型ダンパーを設けるなどの改修工事で「地震の揺れと一致する共振現象を防ぎ、揺れる時間も短縮させる」(同社)という。

 また、大成建設は高層ビルの柱や梁(はり)を補強する必要がない独自の制震工法の採用を働きかけている。森ビルも震災後、既存ビルで震度1〜7の地震に対応し、揺れを軽減できる粘性系ダンパーの導入を進めている。

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