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張り出す桁の上げ越し量をミス、広島県の国兼川橋20130819日経コンストラクション
国土交通省中国地方整備局は8月6日、2011年3月に完成した広島県三次市の国兼川橋で、橋面の高さに過不足が生じたとして施工を担当した鉄建を同日から10月14日まで10週間の指名停止とした。桁の架設では、完成後の沈下量を見込んで施工中の高さを求める。この上げ越しの計算を誤り、完成した2径間の橋桁のうち、一方の径間では設計より最大で約70mm高くなり、もう一方では約40mm低くなった。
橋面の高さに過不足が見つかった範囲。赤い色網が鉄建の、緑の色網は別の建設会社の施工部分(資料:国交省三次河川国道事務所) 鉄建が施工を担当したのは、「尾道・松江自動車道国兼川橋PC上部工事」。長さ224mの3径間連続ラーメン箱桁橋のうち、A1橋台からP2橋脚にかけて182mの区間を架設した。工事は同整備局三次河川国道事務所が発注したもので、請負金額は6億3763万3500円。工期は2009年1月9日から11年3月31日まで。
施工ミスは13年3月、残る42mの橋桁の施工を担当する別の建設会社が現地を測量して発覚した。同社から報告を受けた三次河川国道事務所が鉄建に確認を求めたところ、P1橋脚とA1橋台の間の橋桁が設計より約20〜70mm高かった。さらに、P2橋脚付近の橋桁は約20〜40mm低かった。
同橋では張り出し架設工法を採用。P1橋脚を中心に、A1橋台とP2橋脚に向けてそれぞれ2.5〜4mずつ張り出して橋桁を架設した。橋面の高さを管理するに当たっては、打設するコンクリートの重量などによって橋桁が下がるので、構築する内容に見合った上げ越し量をあらかじめ計算してから施工した。
コンクリートの重さを誤入力
三次河川国道事務所によれば、上げ越しの高さを計算する際、P1橋脚からA1橋台に向けて張り出す部分で一部、コンクリートの重量を誤って入力した。このため、上げ越しの高さが過剰になって橋面が高くなった。一方、この影響で、反対側のP2橋脚側の径間では橋面の高さが不足する部分が生じたという。
同橋の橋面の高さで許容される施工の誤差はプラスマイナス20mm以内。許容値を超える部分に対して三次河川国道事務所は13年5月、鉄建に瑕疵(かし)修補を請求。同社は瑕疵を認め、13年8月中旬から補修工事を始める。
補修工事では道路の縦断線形を変更し、橋面の高さを新たに設定。橋の舗装に用いるアスファルトで路面の高さを調整する。地覆や高欄などはコンクリートでかさ上げする。さらに、施工中のA1橋台背後の土工部分は盛り土の高さを変える。
高欄などのかさ上げによって橋の荷重は増えるが、橋の耐力に問題がないことは照査済みだ。補修工事は13年11月下旬に完了する予定で、13年度内に予定する道路の開通に影響はないという。
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