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底泥汚染層を封じ込め/放射線量 約7割低減/大成建設20130919建設通信

 大成建設は、ため池を始めとする水域に堆積(たいせき)した放射性物質を含む底泥汚染層を巻き上げずに封じ込める「クリーン薄層覆砂工法」の有効性を福島県内で実施した実証試験で確認した。覆砂材料を特殊なノズルを通じて沈降した結果、施工時の濁度に大きな変化を与えず、底泥表面の放射線量率は施工前に比べ約7割低減した。浚渫除去に比べて施工時に放射性物質が拡散せず、除去汚泥の仮置き、処理コストも低減できることから、同社は今後、有効な放射性物質封じ込め技術として、ダムや河口域への適用性も積極的に検討する。

 福島県内には3000以上のため池があり、本格的な営農の再開に向けた利水時の放射性物質拡散防止対策の需要が見込まれている。ため池などの放射性物質を含んだ底泥の除去工法には浚渫があるが、薄層の剥ぎ取りが困難なほか、底泥の巻き上げによる放射性物質の拡散が大きな課題となっている。また、除去汚泥の仮置き、処理にもコストがかかる。

 クリーン薄層覆砂工法は、砂と水を混合した覆砂材料を水中ポンプで圧送し、底泥上に設置した特殊ノズルを通じて密度流状態で静かに沈降するため、底泥を巻き上げることなく汚染層を封じ込めることができる。浚渫とは異なり、除去汚泥を排出しないというメリットもある。

 同社が沿岸部締め切り工事の臭気対策で使った技術を応用した特殊ノズルには、直径850mmの円盤状の上ツバ、下ツバが設けられ、ノズルから排出される覆砂材料の勢いを和らげることによって、低泥の拡散を抑制する。水中ポンプ、サンドポンプなどは汎用機械が適用できる。

 飯舘村での実証試験では、50×50mのため池のうち、5×15mを対象に厚さ10cmを覆砂した結果、底泥表面の放射線量率は施工前の2.75マイクロシーベルト/時から0.86マイクロシーベルト/時に約7割低減され、高い封じ込め効果が確認された。

 環境省の除染関係ガイドラインには、生活空間の除染が一定程度進展した段階で、ため池などの水域についての具体的な取り扱いが盛り込まれる予定になっており、今後はため池のほか、湖沼などで除染作業の本格化が見込まれている。

 同社は、汚泥を排出せずに放射性物質の拡散を防止する有効な技術として、さまざまな水域への適用性を含め、クリーン薄層覆砂工法による対策技術の開発を進める。


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