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清水建設ら/二層支持型タワークレーン/ダメ穴不要、生産性向上20140305建設通信
清水建設、エスシー・マシーナリ、IHI運搬機械は、タワークレーンのベース(台座)を大幅にスリム化した新たな「二層支持型タワークレーン」を開発し、実現場への適用を進めている。マストの上下に設けた2つのベースで支えるのが特徴で、それぞれのベースの面積は従来の7分の1程度に抑えられる。エレベーターシャフト内に設置でき、床スラブの専用開口(ダメ穴)の設置・復旧作業や躯体補強が不要になるなど施工上のメリットが大きい。生産効率が大幅に向上することから、積極的に適用を進めていく方針だ。
一般的なタワークレーンのベースは、荷重支持と転倒防止の2つの役割を担うためサイズが大きくなる。新開発した二層支持型は、マストの上部と下部に2つのベースを設け、2つの役割を分担させるのがポイント。上部ベースは荷重支持のみを担い、下部ベースは転倒防止のみの役割を果たす。「テコの原理」を応用した発想で、上部ベースが支点、下部ベースが力点、マスト頂部が作用点となる。
上部ベースに内蔵される鋼製部材「球座」の開発によって、この支持方式が実現した。硬い鋼球にクレーンの荷重を集中させ、それを椀状の「受座」で受け止める。荷重を1点に集中して支持するため、ベースには偏りのない均一な圧縮力だけが作用する。一方、転倒防止を担う下部ベースは、テコの原理が働くためマストを軽く固定するだけで済む。
ベースの大幅なスリム化によって、エレベーターシャフト内にタワークレーンを設置でき、ダメ穴の設置・復旧や構造補強などが不要となる。ベースが小型なため、クライミングに要する作業時間も従来の半分程度に短縮される。
現在、清水建設が施工を進めている月島一丁目再開発建設所(東京都中央区)では、コア部のエレベーターシャフト内にこのタワークレーンを設置して作業を進めている。塚田泰三建設所長は「この現場にうってつけの技術だと感じた。ダメ穴が不要になり仕上げなど後工程への影響が出ないほか、クライミングの手間も軽減される。コスト面のメリットも大きい」と話す。従来のマストでは30柱必要になるところを、この現場では7.5柱に削減している。
現在、5現場での適用実績がある。同建設所のようなタワーマンションなど超高層RC建築物の新築工事で威力を発揮するが、超高層ビルの解体工事などにも適している。生産性の向上に大きく貢献するため、清水建設は今後、積極的に適用を進めたい考えだ。
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