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新国立競技場/建築士会連合会、屋根の木造化を提言/環境配慮や低コストで効果20150827建設工業

 日本建築士会連合会(士会連合会、三井所清典会長)は、2020年東京五輪のメーン会場となる新国立競技場の整備で、観客席の屋根の木造化を求める提言をまとめた。屋根の木造化は、法隆寺や東大寺など飛鳥時代から受け継がれてきた日本の木の文化を世界に発信し、地球環境保全重視のスタンスをアピールできると強調している。三井所会長は26日、東京都内で記者会見し、「25日に遠藤利明五輪担当相に提言を提出した。今後、新競技場の工事入札に応募しそうな建設会社にも提言を届ける。検討の素材としてもらいたい」と述べた。

 文部科学省が6月下旬に公表した総工費(2520億円)の内訳で屋根の費用を900億円と試算したのに対し、木造屋根は150億円と安く、全国の集成材工場などでつくるため地方創生にも寄与するとしている。提言では、2010年に公布された公共建築物木材利用促進法に基づく国の基本方針で「公共建築物は可能な限り木造化を図るとされている」と指摘。この趣旨を踏まえて士会連合会の「中大規模木造建築物普及タスクフォース」が検討した結果、新競技場の屋根構造を木造とすることは十分に可能であり、木造化することで「環境配慮」「低コスト」「日本文化の象徴」「地方創生」「工期短縮」「木材利用の促進」という六つの効果が期待できると強調した。

 前提とする競技場の規模は、下部がRC造で観客8万人を収容する楕円形(長辺290メートル、短辺270メートル)のスタジアム。高さは文科省の6月下旬の試算時点の70メートルから60メートルに抑えた。観客席の上部のRC柱からスタジアムに張り出す形で60メートルの長さの木造トラス(集成材)を7・2メートル間隔で組み立て、屋根全体を金属板(金属板葺き通気構法)で覆う。木材の利用量は1万立方メートルで、2500トン(住宅500棟分)の二酸化炭素(CO2)を都市に固定化する効果がある。木材の調達・加工と施工の費用は150億円程度。上部が木材で軽くなるため、下部構造のコストを抑えられるほか、全国の集成材工場とプレカット工場で生産するため、地域の活性化に寄与する。

 既存の基準寸法・基準加工による集成材を使うことで高精度・高品質の部材を供給でき、工期の短縮も図れる。汎用性のある耐火性能検証法を利用して屋根の木造化を図れば、多様な建物への木材利用の普及を後押しする効果も期待できる。三井所会長は、総工費は1300億円程度に縮減できるとの私見も示し、6月下旬の文科省試算からコスト、工期も大幅に縮減できると強調。「木は日本文化の象徴だ。ベイマツなども活用すれば国際協調もアピールできる。新国立競技場の整備計画再検討推進室には(工事入札時の)要件に木材利用を入れてほしい」と述べた。


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