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ICT現場導入を支援/個別最適から全体最適へ/アイ・コンストラクション委員会発足20151216建設通信
国土交通省は15日、「i−Construction(アイ・コンストラクション)委員会」の初会合を開き、建設現場の生産性向上に向けた本格的な議論をスタートした。調査・設計から施工、維持管理に至るまでの全プロセスへの3次元データの全面導入や、コンクリート部材の規格標準化などによって、現場の作業効率や安全性の飛躍的向上を目指す。今後、ICT(情報通信技術)導入初期における建設企業や自治体支援のあり方など、具体的な推進方策を検討していく。2016年3月に委員会としての報告書をまとめる予定だ。
石井啓一国交相は冒頭、「建設産業が技術力を維持し、生産の質と量を保ちながら、将来にわたってインフラの維持管理・更新や災害時の緊急復旧など社会的役割を担うことで、安全・安心で豊かな国民生活や経済活動を支えられる」と指摘。「労働力不足はピンチに見えるが、イノベーションを喚起し建設現場を変えるチャンス」と強調した=写真。
委員長に就いた小宮山宏三菱総合研究所理事長は「いまの世界で革命的な技術はi(情報)。この新しい資源の利用には、プラス・マイナス両面があると言われているが、間違いなく使わなければならない。建設業は男社会だが、iと絡めば女性やアクティブシニアといった人的資源も活用できる」と述べた。
国交省が取り組もうとしているのが、ICTの全面的な活用、規格の標準化、施工時期の平準化という3つの施策。推進に当たっての課題として、▽ICT導入に対する企業支援のあり方▽地方自治体など発注者支援のあり方▽ICT活用を前提にしていない現行基準の設計ストック対応▽成果分配のあり方▽建設現場のイメージアップと広報戦略▽海外展開を見据えたICT等の国際標準化−−という6点を整理した。
ICT全面活用については、ICT建機の扱いに不慣れで、レンタル料が高価なども理由に、企業側が導入を躊躇することが想定される。国交省は15年度中に3次元データ対応の基準類を整備し、16年度から運用を始める予定で、併せて関連機器や技術者育成に関する導入初期の支援策も打ち出す方針だ。
直轄現場では16年度以降、新たに測量を行う案件などから順次、 3次元対応に移る。従来の2次元で設計を完了している現場は、施工者提案により3次元に切り替える。別途、 業界関係者を集めた協議会を立ち上げ、具体的な推進方策について意見を交わす。
コンクリート工の規格の標準化についても、関係者からなる協議会を設置し、課題や取り組み方針を検討する。このテーマは、材料が最も少なくて済む「個別最適」の設計から、すべてのプロセスをとらえた「全体最適」にシフトすることが狙い。
業界団体とも調整しながら、16年度中には機械式定着工法や高流動コンクリートの適用範囲などを示したガイドライン、17年度には鉄筋や型枠のプレハブ化などに関した留意点を示すガイドラインを策定する見通し。中期的には、全体最適のための規格標準化や設計手法のあり方、コスト以外の工期短縮や品質、安全面の効果を測る評価手法も確立する考えだ。
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