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国交省、全国通知/受注者に「余裕期間」/専任人材を有効活用20160630建設通信

 国土交通省は、資機材や労務調達の準備など、受注者にとっての施工体制の確保に役立つ「余裕期間制度」の全国的な普及を目指す。全国の自治体に積極的な活用を促すことで、限りある技術者(専任人材)の有効活用につなげる。直轄工事での取り組みの意識が浸透すれば、結果として適切な工期設定や施工時期の平準化など、自治体が発注者の責務を果たすことへの後押しにもなりそうだ。

 直轄工事での積極的な活用を促す各地方整備局への通達に続き、24日付で都道府県や政令市に同様の通知を参考送付した。

 余裕期間とは契約日から工事着手までの期間を指す。契約期間内ではあるが、実質的に“工期外”であるため、監理技術者などの専任人材の配置が不要になる。それぞれの契約ごとに工期の30%かつ4カ月を超えない範囲で設定できる。

 直轄工事の余裕期間制度は、発注者が工事の始期を指定する「発注者指定方式」と、発注者が示す範囲内で受注者が工事の始期を選択できる「任意着手方式」、発注者があらかじめ設定した全体工期の中で受注者が工事の始期だけでなく、終期をも決定することができる「フレックス方式」の3つのパターンがある。

 特に余裕期間内における工事の始期だけでなく、工事の終期も受注者の裁量で選択できる「フレックス方式」は受注者にとって工期設定の選択肢が広がる。使い方次第で建設企業の受注戦略を支えるツールになる可能性がある。

 というのも、フレックス方式は、監理技術者などの専任人材の配置期間(実工事期間)を受注者側が選択できることと同義。仮に4月から6月の3カ月を余裕期間とする工事の場合、工事の始期を6月に設定すれば、5月末が納期である別の工事の専任技術者を配置予定技術者とすることができる。

 ケースによっては、限りある技術人材の有効活用など受注する建設企業側にとって有利に働く可能性が高い。

東京都は準備期間の設定で平準化
 
 既に類似の取り組みを行っている自治体もある。東京都が年度末に契約を確定するゼロ都債による工事(早期発注を目的に翌年度への債務負担行為によって発注する工事)を対象に試行している「技術者配置準備期間」の設定だ。

 準備期間を設定した工事は、仮に3月10日を契約日とするA工事を例にすると、工事着手(始期)を4月1日、3月11−31日までを準備期間に設定した場合、別のB工事に従事している技術者であっても、B工事の完了が準備期間内であれば、当該技術者を配置予定技術者として入札に参加することができる。

 2014−15年度にかけて45件、15−16年度にかけては47件の工事に適用した。実際に年度をまたぐ“端境期”に使うことで発注時期の平準化を図る有効ツールになっているという。


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