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民間工事指針を策定/甲乙関係に“共通基盤”/国交省/事前協議で請負契約を適正化20160715建設通信

 国土交通省は、民間工事における請負契約の適正化を図る基本的な枠組みとして『民間建設工事の適正な品質を確保するための指針(民間工事指針)』を策定した。契約を結ぶ前段階で受発注者が行う事前協議の徹底を推奨、そのベースとなる協議項目(12項目)を見える化した点が最大のポイントだ。発注者となるディベロッパーや、受注者であるゼネコン、それぞれの業界団体にとって、この“共通基盤”が整備された意味は大きい。

 民間工事指針は、受発注者間で行う事前協議に関する基本的な枠組みとなる。その根底には、建設業法の目的である適正な施工を確保するための取り組み、あるいはその延長線上にある工事の品質の担保が、発注者や施工者など関係者の共通認識によって成り立つという考え方がある。

 特に一品生産である建設工事は現場ごとにその状況が異なる。地中の状況や近隣対応など、工事の開始時点では想定できていなかったリスクが、施工の途中段階で発現する可能性も常に存在していると言ってよい。

 だからこそ、 起こり得るリスクに関係者が適切に対処するための 事前協議を徹底することで、 リスクに対する役割分担 (負担の考え方) が曖昧 (あいまい) なまま契約してしまうことを回避する必要がある。

■リスク情報を共有、役割分担も明確化
 一般的に民間工事における請負契約の締結は、 発注者 (ディベロッパー)が受注を希望する施工者 (ゼネコン) に対して行う見積依頼が最初のステップになる。 ここで提示される見積要項書や仕様書は、いわゆる契約書の一部と見なされる。 発注者は適正な見積もり条件を示すなど、 この段階からリスク負担に関する考え方や、 その対応方法を施工者と共有することが求められる。

 施工者もこれまでの経験やノウハウをもとに、当該工事に潜む施工上のリスクや、そのリスクを踏まえた適切な工期、請負代金の提示がきちんとなされているか、発注者と積極的に協議する必要がある。

 このリスク情報の共有や役割分担の明確化といった事前の協議が、実際にリスクが発現した際の調整を円滑化させることにつながる。

■業界団体として対応確立が焦点
 発注者であるディベロッパーと、施工者(請負者)であるゼネコンとの甲と乙の関係性の中に、民間工事指針という“共通基盤”ができたこと自体に大きなインパクトがある。今後、発注者と受注者の双方が、この指針をどう活用していくのかが問われる。

 例えば、この指針に沿って、適正な工期や請負代金を発注者に的確に求めていくゼネコンAに対して、受注という実需を欲する余り、条件面でのダンピングに走るゼネコンBがあっては品質は確保できない。

 甲と乙の関係性に立つディベロッパーとゼネコンそれぞれの企業が属する業界団体が、この指針をいかに“共通基盤”として使いこなすのか。その点が今後の焦点になると言えそうだ。


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