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指定給水装置工事事業者制度/5年更新制を導入/厚労省が見直し案不明・悪質業者を排除20160721建設通信
厚生労働省は20日、水道法改正に向け、指定給水装置工事事業者制度に5年を有効期間とする更新制を新たに導入するなどの見直し案を明らかにした。指定の更新に当たっては、法で定めている指定基準の確認に加え、▽指定工事事業者の講習会参加実績や主任技術者などへの研修機会の確保状況▽過去に施工した工事に携わった配管技能者の資格など▽事業者の業務内容−−を自治体などの水道事業者が確認する。また、水道利用者に対する事業者情報の提供、事業者が研修・講習会を受講しやすい環境整備、水道事業者による指定取り消し処分基準の整備に向けた支援などの対応策も示した。
制度の見直し案は、同日に開いた厚生科学審議会(厚労相の諮問機関)の下に設けた「水道事業の維持・向上に関する専門委員会」に示した。
現行の指定給水装置工事事業者制度には更新制がなく、一度、各水道事業者から「給水装置工事施行者」として指定を受ければ、その後の技術力などを問われることがない。
指定工事事業者は2013年度末で延べ約22万7500者いるが、厚労省の調査によると、一部の水道事業者が確認しているだけでも約3000の不明事業者が存在している。また、水道事業者が把握しているものだけでも、無届工事や構造材質基準の不適合などの給水装置工事の違反行為は、1年間に1740件ある。
違反行為の中には、水質事故につながる可能性がある「クロスコネクション」や虚偽報告などの悪質なものも発生。技術力不足が原因とみられる施工不良もある。
こうした現状を改善するため、工事事業者の技術力や実績の確認、主任技術者の技術力と配管技能者配置の確認などができるよう、更新制を導入する。
更新制を導入することで、不明事業者は自動的に排除され、悪質な事業者の排除にもつながる。その一方で、市町村などの水道事業者側の事務負担は増える。水道事業者は人員と体制に限りがあり、いまでも違反事案に対する処分や指導監督が十分に行えていない。このため、実効性を担保できる制度の構築を念頭に見直し案をまとめた。
見直し案によると、指定の有効期間は、ほかの制度や工事事業者と水道事業者への負担を考慮し、5年とした。更新時に選任主任技術者、工具類の保有、欠格条項の該当がないかの指定基準を満たしているかを水道事業者が確認する。あわせて、▽工事事業者の有効期間内における講習会参加実績▽配管技能者の指名、資格、雇用関係、工事件数など▽休業日や対応可能時間、修繕対応の可否、工事種別などの業務内容−−も確認する。
更新制導入とともに進める対応は、更新時に把握した情報を水道利用者への情報提供に活用する。また、水道利用者と工事事業者とのトラブルを未然に防ぐため、消費生活センターと連携した情報発信方策も今後検討する。
工事事業者に対する講習会は、水道事業者が連携して広域的な開催を進める。これにより、複数の水道事業者から指定を受けている工事事業者の講習会参加負担を軽くする。
このほか、水道事業者の処分基準整備を支援するため、処分事務の解説や処分事例などを示す。また、水道事業者には、無届工事の施工者に対する指導の強化、指定取り消しを含む適正な処分を実施してもらう。
専門委では、広域連携を進めるためのたたき台の修正案も示して議論した。今後は、アセットマネジメント(計画的な資産管理)推進などの論点も議論して、11月をめどに報告書をまとめる。厚労省は報告書を基に水道法改正案をまとめ、17年の通常国会に提出することを目指す。
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