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群馬建協/災害対応で提言/一定の工事量確保を、会員の6割「限界工事量」割り込む20160721建設工業
大手ゼネコンなどの業績が好調な一方で、地域建設業者が工事量不足にあえいでいる。群馬県建設業協会が20日、自然災害が起きた時に対応する人員や機械を維持するのに最低限必要な工事量として独自に定義した「限界工事量」を会員企業の約6割が割り込んでいると窮状を訴え、地方業者には余力があるとして、工事量の確保に向けた提言・要望活動を強化する方針を発表した。多くの地方業者が同様の状況にあるとみられ、今後、地方向け工事の積み増しを求める声が全国で強まりそうだ。
14年に記録的な豪雪に見舞われた群馬県では、群馬建協が公共機関と結んだ道路除雪契約に基づき、積雪時には国、県、市町村と連携して道路除雪などを行っている。
同建協は、除雪作業に従事した会員企業を対象に5月30日〜6月10日に「道路除雪業務等に関するアンケート」(251社が回答)を実施。その結果を基に限界工事量を算出し、限界工事量を下回っている企業の割合を「限界度数」と定義した。
建協の12支部全体を見ると、限界度数は平均59%となっているが、山間部で積雪や降雨量の多い富岡支部では100%、藤岡、渋川支部ではいずれも71%以上の企業が工事量の不足を訴えた。このほか、県平均を上回るのは、3支部に沼田、安中、吾妻支部を加えた計6支部となった。
アンケートの回答を細かく見ると、15年度の除雪体制(人員2493人、機械550台)の水準を今後も維持するための課題として、156社(62%)が「工事受注量減による建設業本業の体力低下」、次いで151社(60%)が「除雪作業員の高齢化、後継者の育成、除雪作業員の不足」を挙げた。道路除雪業務については、作業量に応じて除雪業務委託料が支払われるものの、156社(62%)が「建設業本業の経営安定が必要で、一定の受注量がないと維持できない」と回答した。
20日に前橋市内で記者会見した青柳剛会長は「一定の工事量を確保しなければ、冬季の除雪対応に悪影響が出る」と懸念を示すとともに、「災害対応の観点から地方の建設業のあり方を見直す必要がある」との考えを表明。さらに「一般に建設業界は人材不足だと言われているが、アンケート結果や現場の肌感覚から考えると、余力は十分ある」と強調した。
群馬建協は、▽建設業が災害対応面で重要な役割を果たしていることの周知▽地域建設業の体力維持▽道路除雪対象路線の極端な削減か限界工事量を上回る工事量の充当▽自助・共助・公助の連携と協働▽降雪が少ない年を加味した道路除雪契約制度への改正−の5項目を柱とする提言・要望をまとめた。今後、国土交通省や自民党への要望活動を行うという。
青柳会長は「ただ公共事業が少ないと言うだけでなく、災害対応という観点から限界度数を見るのが重要。各県で限界工事量の調査を実施してはどうか」と提案した。
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