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竹中土木・竹中康一社長/社員との意見交換で成果/役職員に一体感生む20160722建設工業
人口減少、少子高齢化の進展で将来的な技術者・技能者不足が懸念され、担い手の確保・育成が建設業界共通の課題となる中、竹中土木では、職場環境の充実につなげようと、2007年から社長と職員が直接懇談するオンサイトミーティングを継続している。会社運営には「役職員が経営環境や課題への認識を共有し、同じ目標へ一丸となることが重要」と話す竹中康一社長に、オンサイトミーティングを始めた経緯や効果、今後の展開などを聞いた。
オンサイトミーティングは、本社はもちろん、国内外の支店、営業所に社長が自ら出向き、少人数で忌憚(きたん)のない意見を交わす場として設けられた。10年目を迎える今年7月までの開催回数は87回、参加者は750人を超える。
建設投資の減少傾向が続き、それに伴う受注競争の激化など厳しい経営環境にあった07年にオンサイトミーティングは始まった。「06年から当時の日本鉄道建設業協会副会長や五団体合同安全公害対策本部本部長などに就任して発注者との意見交換に参加する機会が増えた。そこで感じた業界の現状や発注者の意識などを社員にも伝え、役職員で経営課題を共有することが重要だと感じた」。それが開催のきっかけになったという。
開催当初は厳しい経営環境から、会社の将来や業界の先行きを不安視する意見が多く、閉塞(へいそく)感が社員を覆っていた。しかしそうした中でも「会社の将来を考え、新たな方向性を探ろうとする熱い意見もあった」と社員の意見をくみ取ることを続けた。
そうした思いが最初に実を結んだのが11年に発表した中長期の経営方針「2020ビジョン」だ。検討段階では役員だけではなく、本支店の中堅社員も参加。ビジョンの中に社員の意見を反映させた。「挑むべき目標がはっきりし、一丸となって取り組もうと気持ちが一つになった」と実感した。
経営環境の変化に応じて、社員からもさまざまな意見が出されるが、その意見に迅速に対応して社内の制度も改善している。最近多い休暇取得への意見に応じて、勤続10年ごとに与えられる長期休暇の取得期間を広げるなどより取得しやすい制度に変更。従来は入社1年目と管理職昇進時だけだった研修制度に、入社3年目研修、6年目研修も加えた。「同期との連帯感が生まれた」と社員の評判も良く、職場環境の改善につながっている。
このほかにも、今後拡大を目指す海外での事業展開と、若手職員の海外志向の強さを踏まえ、入社2年目社員の海外派遣制度創設を検討。女性技術者からの意見を基に女性用のユニホーム作りも指示している。
「会社を支えるのは社員一人一人。これからも若い人の気持ちを大切に、きらりと輝く企業を追い求めていきたい」。今後もオンサイトミーティングは継続していく。
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