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五洋建設/洋上風力向けSEP型多目的起重機船の建造着手/大型クレーン搭載は国内初20160726建設工業
五洋建設は25日、洋上風力発電施設の建設向けに自己昇降式作業台(SEP)を搭載した多目的起重機船を建造すると発表した。800トンづり全旋回式クレーンを装備し、5〜6メガワット級の大型風車の基礎の施工や設置が可能となる。27日に造船契約を締結し、18年9月の完成・引き渡しを目指す。投資額は約110億円。大型クレーンを搭載したSEP船の建造は国内初という。
建造するSEP型多目的起重機船は、世界のSEP型洋上風力発電施設設置船の7割以上を手掛けるオランダのGustoMSC社が基本設計、ジャパンマリンユナイテッド(東京都港区、三島愼次郎社長)が建造を担当する。
全長73メートル、全幅40メートル、積載可能重量1750トンの規模。4本の昇降用脚は80メートルと長尺で、水深50メートル程度の大水深まで対応可能。海面から最大30メートル程度までプラットフォームを上昇させることができ、気象・海象条件の厳しい海域でも波浪の影響を軽減できる。稼働率を高めると同時に、安全で施工精度の高いクレーン作業につながる。
ダイナミックポジショニングシステムによって船体の位置を保持するのも特徴で、ジャッキアップ時の位置決めにかかる時間を短縮できる。従来のSEPのジャッキ能力では25メートル上昇させるのに2時間半かかっていたが、連続式の新型ジャッキの導入により1時間弱に短縮できるという。
100人規模の十分な居住スペースと緊急時の人員輸送のためのヘリデッキを備え、遠隔地での作業と長期滞在が可能になる。洋上風力のほか、大水深防波堤やバースの建設、臨港道路の海中基礎の建設、港湾施設の維持更新、離島の各種土木工事にも活用していく。
1日に施行された改正港湾法により、港湾区域内の水域などで着床式の洋上風力発電施設の建設が進めやすくなった。野口哲史取締役兼常務執行役員土木部門土木本部長は「2010年代後半には洋上風力の市場ができ上がっている。今から準備を進め、施工ニーズに応えていきたい」としている。
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