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Tranzax・小倉隆志社長に聞く/ゼロ金利政策、中小企業にも恩恵を20160729建設工業

 金融庁から電子債権記録業の指定を受け、今月11日に開業したTranzax(東京都港区)の小倉隆志社長が日刊建設工業新聞のインタビューに応じ、建設業などの中小企業向けファイナンスを展開する事業の狙いと展望を語った。中小向け融資金利で基準となる短期プライムレート(短プラ)が09年から7年続けて1・475%を維持していることに触れ、「ゼロ金利政策の恩恵を中小企業も受けるべきだ」と強調。独自手法で中小向け金利の引き下げに貢献していきたいとした。

 ◇大手の信用力生かしたファイナンス展開
 第1弾事業の「サプライチェーンファイナンス」は、中小企業が大手の発注企業に対して持つ売掛債権を子会社のDensaiサービスを通じて電子債権化。これを同社の設立する特別目的会社(SPC)に譲渡し、大手企業の信用力を生かした低金利(0・7〜1・2%)での現金化を実現する。

 8月2日にスタートするシステム開発会社のNCS&A(東京都江東区)と取引のある中小企業向けの事業を皮切りに、「不動産会社や住宅機器メーカーなど5社以上の大手企業ともこの手法での契約締結に向けた検討を進めている」という。

 小倉氏が「売上高1000億円以上、取引のある協力会社が7000社くらいある大手企業のスケールメリットが生かせる手法だ」と話すサプライチェーンファイナンスを活用した低金利での資金調達は、短プラの影響で現状2〜3%の金利で融資を受ける中小企業と契約する大手にとっても、「納入単価を引き下げることにつながる」と生産性アップの効果が見込める。

 同社は今後、多くの協力業者を抱えて建設現場を運営するゼネコン各社にも同事業への参画を呼び掛けていく方針。「1年後には電子記録債権の取扱量を5000億円以上、早期に1兆円突破を目指す」と意欲的だ。

 来年には、建設工事を元請、下請として受注した段階で発注書に基づく請負代金債権を電子化し、それを担保に融資を受けられる「POファイナンス」をスタートさせられるよう金融庁と調整中。公共工事のように前金払いがない民間工事の資金繰り対策として活用を促す。

 仮に施工途中の中小建設会社が民事再生や会社更生の手続きに入っても、電子化した債権が金融機関に移転するため、それを担保に追加融資が可能になり、「下位の下請を保護し、連鎖倒産も起こりにくくなる」という。

 大手企業の信用力を利用して中小企業が資金調達をしやすくする手段を提供する同社では、「他にもアイデア段階の手法が2〜3ある」とし、国の指定機関としてアベノミクスによる金融政策の一翼を担うためにも、「年間取扱高10兆円を5年以内に達成」し、市場での存在感を示していきたいとの意向を示した。


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