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収益性 持続性 信頼構築/産業政策の道筋描く/国交省20160801建設通信
【「新たな検討の場」で展望】
国土交通省は、これからの建設産業のあるべき姿を探る、新たな検討の場を用意する考えだ。7月29日の中央建設業審議会の総会で会議体の設置を表明した。議論の“的”となる6つの問題意識を抽出。建設産業の将来展望を踏まえながら、それぞれの課題に向き合う。検討の延長線上に建設業における関連制度の再検討も見据える。
新たな検討の場は、中央建設業審議会と社会資本整備審議会産業分科会・建設部会の下に置く「基本問題小委員会」のような法律に基づく検討組織とは異なる“研究会”や“懇談会”といった位置付けになる見通し。
委員の構成や検討のスケジュールは現段階では固まっていないが、6月に中間とりまとめを策定した「基本問題小委員会」での議論を引き継ぐ、あるいは積み残した課題への対応も担うとみてよさそうだ。
検討の方向性とも言える6つの問題意識をみても、検討課題となる“弾”は広範で多岐にわたる。どの分野に重点的に取り組むべきかを含めて、腰を据えた議論になることは間違いない。
提示した6つの問題意識は、「建設産業の発展性・収益性」「建設産業の持続性」「受発注者間の信頼構築」という3つのテーマに大別される。
人口減少や高齢化を背景に将来的な国内の建設市場は決して明るいものとは言えないが、その中でいかに産業としての幅を広げていけるか、あるいは生産性の向上を軸にいかに企業としての収益性を高めていけるかが議論の出発点になりそうだ。
持続性という観点で言えば、後継者の不足にさいなまれる地方建設企業をいかに維持するか。事業承継や譲渡を円滑に行う環境整備など事業の継続が焦点になる。これに基礎ぐい工事や地盤改良工事における施工不良など、相次ぐ不正事案に生産システムとしてどう対応するかといったことも論点になる。
この多岐にわたる課題や問題意識に向き合うことが、これからの建設産業を導くことにつながる。基本問題小委員会の中間とりまとめに示されているように、その制定から約70年が経過している建設業法を含めて、許可制度や請負契約、経営事項審査、技術者制度、入札契約制度など関連制度の基本的な枠組みを再検討する舞台が、この「新たな検討の場」ということになりそうだ。
海外建設市場への展開だけでなく、CM(コンストラクション・マネジメント)方式におけるCMR(コンストラクション・マネジャー)としての役割やPPP・PFIといった「脱・請負」への展開など、将来展望をどう描いていくべきなのか。建設産業の行く末を占う意味でも、ここでの議論動向に大きな注目が集まることになる。
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