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欧米型視野に公取委研/「裁量型課徴金」/導入へ論点整理20160804建設通信

【新たに協力度合いで加・減算/中小企業算定率廃止も】
 独占禁止法で違反行為とされている不当な取引制限(入札談合を含むカルテル行為)などに適用される課徴金を、公正取引委員会の判断で金額を決める「裁量型課徴金」の導入を議論していた公取委の独占禁止法研究会(座長・岸井大太郎法政大教授)が、「課徴金制度のあり方に関する論点整理」を公表、意見募集を開始している。論点整理では中小企業の課徴金額を低く抑えた現行の中小企業算定率廃止や、現行の算定期間3年撤廃などにも言及。仮に裁量型課徴金制度が導入された場合、課徴金は欧米並みの巨額に上る可能性もある。算定基礎の売上額に対する考え方変更や期間撤廃もあり得るからだ。

 論点整理では前提として、現行課徴金制度が、▽硬直的な算定・賦課方式によるさまざまな課題▽課徴金減免制度はあるが諸外国と比べて公取委調査に協力するインセンティブや非協力・妨害に対する増額もできない調査協力インセンティブの欠如▽国際標準制度からの乖離(かいり)−−などの課題から現行の課徴金制度見直しが必要と結論。その上で効率的な検討のために、最も適用が多く問題事例が蓄積されている入札談合などの、「不当な取引制限」について先行して検討することを明記した。

 具体的な論点では、課徴金の算定基礎として、▽算定基礎とする売上額の範囲▽売上額の算定期間−−を挙げた。具体的には現行制度では競争制限効果が実際に発生したものだけを認定しているが、諸外国のように競争制限の基本合意に参加した企業は売り上げがなくても公取委の裁量で課徴金を課すことを可能にしたり、現行3年の算定期間撤廃に言及した。

 また、課徴金の基本算定率についても業種別や中小企業(建設業の課徴金は原則10%に対し中小企業は4%)向けを廃止し、すべて公取委の裁量に委ねる方式の導入について明記した。

 さらに課徴金減免制度とは別に新たに公取委調査への協力度合いや支払い能力などを裁量で判断して加減算する制度にも言及。関連して、欧州連合(EU)では事業者が違反行為について争わないことで合意した場合に制裁金(課徴金)を減額する仕組みや、米国が導入している司法取引を参考例として新たに和解制度も例示した。

 論点整理ではこのほか、▽行為類型による相違▽課徴金制度の法的性格や、新制度導入の場合の刑事罰との関係(二重処罰)▽新制度と民事損害賠償金との関係▽調査妨害行為に対するペナルティー▽新制度に見合った手続き保障▽新制度全体の検証−−についても提示している。

 論点整理に対する意見提出は、今月31日まで。電子メール、ファクス、郵送いずれかで受け付けている。

◆公取委独禁法研究会 論点整理のポイント
■現行の課徴金算定方法
 課徴金の額=違反行為に係る期間中(最長3年)の対象×課徴金算定率−減免制度の減免
(非裁量) 商品または役務の売上額または購入額 (規模、業種)
(個別事業者ごとに対象の売上額認定)

■論点整理では
 (1)法定で決められた画一的・機械的な課徴金額を見直し、公取委に裁量性を持たせる
 (2)裁量によって算定基礎の売上額範囲も柔軟に設定
 (3)算定期間3年の上限も撤廃し裁量で決める
 (4)業種別、中小企業算定もやめる
 (5)調査協力度合いで課徴金の加減算を裁量で決める制度導入
 (6)先行して不当な取引制限で課徴金制度見直しを検討


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