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古久根建設/集合住宅向け耐震化サッシ構法の有効性確認/震度6強でも窓開閉スムーズ20160808建設工業
古久根建設は5日、近藤龍哉工学院大建築学部准教授の協力を得て開発したマンション向け耐震化サッシ構法の性能を検証する実大実験を行った。実験では、方立て壁に耐震スリットを設け、サッシに外枠を付けて構造体から独立させる新たな構法で構築した柱・梁の実大試験体に圧力をかけた場合の方立て壁や窓サッシ、玄関ドアの損傷状況を検証。層間変位が震度6強程度に相当する1/120の場合でも壁の損傷はなく、玄関ドアと窓もスムーズに開閉でき、新構法の有効性が確認された。
マンションの多くは、居室空間のベランダ側に柱なし壁、共用通路側には窓や玄関ドアが付いた壁があるが、在来工法ではこうした壁(方立て壁)の下部と下梁の間に「耐震スリット」と呼ぶ緩衝部を設け、地震による壁面部の揺れを吸収する仕組みを採用することが多い。
耐震スリットには方立て壁と下梁をつなぐ鉄筋を入れ、揺れの際に壁が外れないようにしているが、東日本大震災ではこの鉄筋との密着面から壁や下梁がひび割れ、窓サッシや玄関ドアが大きく変形する事例が発生。玄関ドアの開閉や施錠が不能になり、避難に影響を与えたほか、壁の修繕費用が被災者の大きな負担になっていた。
そこで同社は、方立て壁の中間部に耐震スリットを入れる仕組みを考案し、昨年度に同様の実大実験を実施。方立て壁の損傷は回避できたものの、サッシの開閉機能を保持することができなかった。
この結果を踏まえて新たに開発した構法では、耐震スリットの設置に加え、地震による構造体の変形や損傷がサッシに影響を与えないよう、構造体からサッシを独立。鉄骨製の外枠を設けて、そこに玄関ドアや窓サッシを取り付け、外枠材と構造体は滑り支承で接合する構法とした。
東京都八王子市の工学院大八王子キャンパス内の大型加力実験室で行った公開実験では、階高が標準的なマンションと同じ約2・9メートルに設定した実大試験体に横から圧力をかけ、構造体が変形した際の方立て壁の破損や窓サッシ、玄関ドアの変形状況を検証。層間変位(建物の水平変位を階高で割った変形量)が震度6強程度に相当する1/120、さらに変位が大きい1/83でも方立て壁に損傷はなく、玄関ドアと窓サッシも変形せずに通常通り開閉できることが確認された。
古久根建設の田中良一建設本部品質管理課次長は「良好な結果が得られた。今後は滑り支承の効率化、合理化によって、さらなるコストダウンを図り、早期に実用化にこぎ着けたい」と話し、東北地方の被災地を中心とした集合住宅への採用を見据え、デベロッパーへの提案を強化する考えを示した。
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