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清水建設/移動式温熱・風環境計測システム開発/局地的な酷暑緩和策を提案20160812建設工業
清水建設は、移動式の「温熱・風環境計測システム」を開発した。システムは、エリアの温熱環境を計測する「エリア計測車」と局地の温熱や風環境を計測する「スポット車」で構成。ヒートアイランド現象など一定規模の地域での酷暑地点とその原因の特定、最適な改善対策の立案などに役立てる。
まず乗用車型のエリア計測車を対象地域の道路に沿って走行させ、温湿度や路面温度、日射量を連続的に計測する。計測したデータは衛星利用測位システム(GPS)の位置情報とリンクさせた上でデータロガー(データ保存のための電子計測器)に蓄積する。エリア計測車は時速20〜40キロで走行できるため、地域の温熱環境を効率よくリアルタイムに把握できる。
エリア計測データから温熱環境が過酷な地点を特定。その後、エリア計測車に搭載した電動車いすを改造して専用装置を積んだスポット計測車を使い、対象地点の温湿度、風向き、風速に加え、日射、放射熱の影響を調べるために上下・左右・前後の長短波放射量を歩行速度で移動しながら計測する。
これで得たデータを酷暑緩和対策の提案に役立てる。温熱環境を悪化させている原因が風通しの悪さだった場合は風の通り道の確保、道路からの放射熱が主な原因の場合は遮熱舗装の施工といった提案ができるようになる。
国内では、日中の最高気温が35度を超える「猛暑日」を記録する地域が増えているが、地域によって温熱環境や風環境はさまざま。地域単位の広域予報で得られる情報よりも、過酷な気象条件になっている場所がスポット的に点在しているのが現状だ。同社は今回開発したシステムを活用することで、特に気象条件が過酷な場所の環境改善に役立てる。
システムの実用化初弾として、東京大学工学部都市計画学科の横張真教授と共同で11〜14日の4日間、マラソンコースなどにもなる東京都心の道路の温熱環境を計測。計測結果を分析し、競技者や沿道の観客が受ける熱の影響を把握。横張教授が中心となって対策を提案していく方針だ。
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