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連載・展望・産業政策/民民関係に行政はどう関与するべきか (上)20160818建設通信

【方向性導く転換点に/“新たな検討の場”設置】
 「基礎ぐい工事問題に関する対策委員会」が昨年12月にまとめた提言を受けて、ことし1月に立ち上がった中央建設業審議会と社会資本整備審議会産業分科会・建設部会の「基本問題小委員会」。6月の中間とりまとめに至るまで、約半年間にわたって濃密な議論が展開されてきたことは言うまでもない。基礎ぐい工事問題に端を発した構造的な課題解決へ、その対応に一定の結論を導き出したいま、産業政策はどこへ向かうのか。

 国土交通省は、7月29日の中央建設業審議会の総会でこれからの産業政策を導く“新たな検討の場”の設置を表明した。

 焦点は、基本問題小委員会の中間とりまとめに記された「その制定から約70年が経過している建設業法を含め、建設業制度の基本的枠組みを再検討すべき」とする一文だ。

 この新たな検討の場は「建設業政策全般にわたって、今後、さらなる検討を深めることが望まれる」という中間とりまとめの“結びの言葉”を受け継ぐ舞台になる。基礎ぐい工事問題への対応というある種の縛りがあった基本問題小委員会とは異なり、ここでの議論動向は、次なる産業政策の方向性を導き出す転換点になることは間違いない。

産業の幅を広げる「脱・請負」への展開
 議論の方向性として提示するのが、CM(コンストラクション・マネジメント)方式の導入促進、PPP・PFIといった産業の幅を広げる「脱・請負」への展開や、設計段階をも含めた建設生産システム全体での生産性の向上、地方建設企業を念頭にした後継者不足の問題への対応など。特に、いかに産業としての幅を広げていけるか、その中でいかに地域に必要な建設企業の事業を継続していくかといった点への問題意識は高い。

 これに基礎ぐい工事や地盤改良工事における施工不良など、相次ぐ不正事案に生産システムとしてどう対応するか、あるいは民間市場を含めた建設工事における受発注者間のパワーバランスに、行政がどう関与していくかといった点も大きな論点になりそうだ。

基本問題小委の成果 民間工事指針を評価

 実際に、この問題意識に対する意見を求めた中央建設業審議会の総会で、櫻井敬子委員(学習院大教授)は、受発注者のパワーバランスが見えにくい民間市場を念頭に「建設業の発展性という枠組みで言えば、行政がどこに重点を置くべきかということが重要。建設業法は公共事業を念頭に置いてつくり上げてきたものと言えるが、今日に至っては民間をベースにした“民民関係”における建設業のあり方が主要テーマでなくてはならない」と指摘。

 「民民関係に行政がどう関与していくのかは新規の課題」としつつも、基本問題小委員会の成果の1つである『民間建設工事の適正な品質を確保するための指針』(民間工事指針)を「その“第一歩”ということなんだろうと思う」と評価した。


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