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賃金アップ、入職率増加/建設業の雇用環境 改善鮮明20160822建設通信
【東京の求人賃金は上昇基調】
長時間労働に比べ低賃金であることを理由に、他産業よりも不人気と言われた建設業の雇用環境が、着実に好転しつつある。6月の建設業の月間給与総額は前年同月比で16業種中4番目に高い伸び率になったほか、労働者数も前年同月比で離職率が減少した半面、入職率が増加するなど担い手確保の取り組み成果は統計上でも明らかになっている。一方、建設業の求人数も増加基調が続いている。そのため、特に求人数と求職者数の乖離(かいり)が大きい東京地区を中心に、求人賃金もじわじわと上昇し続けており、これが建設業従事者の賃金上昇を支えている。
厚生労働省が発表した直近の毎月勤労統計調査(6月分、事業所規模5人以上)で建設業の月間給与総額は前年同月比6.4%増の47万8315円となった。所定内給与が1.1%増の30万3062円と増加、期末賞与などが該当する特別に支払われた給与も20.6%増の15万3992円と大幅に増加したことが6月給与総額を押し上げた。
また産業別労働者総数を示す常用雇用および労働異動率でも、6月の建設業総労働者数は2.5%増の289万2000人。入職率が増加した一方、離職率が減少したことで総労働者数が増加した。ただ、担い手確保の課題として挙げられている長時間労働については、建設業の総実労働時間は前年同月比0.3%増の177.5時間と若干増加した。
建設業の雇用環境が確実に好転する中、技術者や技能者の求職者数と求人数のアンバランスが、今後さらに建設市場増加を見込む東京圏を中心に拡大しつつあるのも事実だ。
実際、企業が新規求人のための賃金として提示する求人賃金の上限は、東京労働局が公表した6月の職種別賃金状況(東京地区)で、建築・土木技術者が2014年6月から2万7905円アップし41万3414円と41万円台を突破した。
また職種別では、電気工事の上限求人賃金も13年6月から2万7388円アップの36万0755円となった。東京の電気工事の求人倍率は建設業専門職種のうち、13年6月は2.57倍と最も低かったが、16年6月には3.19倍と上昇するなど求人数・求職数の需給ギャップ拡大が、求人賃金を押し上げた。
電気工事など設備工事は、新設建築工事を中心にしたとび・土工、型枠大工、鉄筋など躯体3職種とは違い、新設建築に加え既存建築物のリニューアルや設備更新需要もあり、今後も比較的に安定市場が見込めるとみられる。
今後、東京圏を中心に新規大型建築案件や20年東京五輪関連整備が年明け以降から本格化する見込みで、担い手確保を進めるための技術者・技能者の賃金はさらに上昇する可能性もある。
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