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ICT、ロボ技術結集/国交省 19年度に情報一元化20160825建設通信
【水災害・巨大地震重点対策】
国土交通省は24日、水災害に関する防災・減災対策本部(本部長・石井啓一国交相)と南海トラフ巨大地震・首都直下地震対策本部(同)の合同会議を開き、2017年度の重点対策を決定した。水災害対策では、ICT(情報通信技術)やロボット技術を結集した災害対応力の向上など8項目、地震対策では河川・海岸堤防の嵩上げ・耐震化推進など26項目を新規対策に位置付けた。ICTなどを使った防災対応力向上に向けては、優れた防災技術の活用を促進するため、19年度に情報一元化システムを本格運用する。
合同会議の冒頭、石井国交相は「社会全体で洪水に備えるために策定した水防災意識社会再構築ビジョンの具体化の取り組みを、直轄河川から身近な中小河川にも広げることが重要。さらに再構築ビジョンの考え方を地震や土砂災害などにも広げ、大災害は必ず発生するという意識を共有し、防災意識社会という考え方を改めて打ち出し、国交省の総力を挙げて進めていくことが必要。東京五輪開催を支えるためにも、首都直下地震対策について万全を期すこと」と重点対策の推進を指示した。
水災害の対策では、15年12月に策定した「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づき、河川管理者、地方自治体による協議会が取り組んでいるハード・ソフト対策を直轄河川だけでなく中小河川にも拡大する。また、命を守る観点、地域経済を支える観点を明確化し、地域の実情に沿った多様な関係者間の密接な連携・協力体制の構築を推進する。
リアルタイム降雨情報を使った都市浸水対策も重点対策の代表的施策に位置付け、富山、福井両市での実証実験結果などを踏まえ、17年夏をめどに都市浸水対策手法に関するガイドラインを作成、公表し、対策を全国展開することで甚大な浸水被害の防止、軽減につなげる。
防災技術(ICT、ロボット)を結集した災害対応力の向上も新たに推進する。より効果的で迅速な防災対応の実現を目指し、防災機関が優れた防災技術を活用できるように、所在情報、調達情報、技術情報、災害協定締結などの情報を提供する社会インフラ用ロボット情報一元化システムを構築する。16年度にシステムを試作し、17年度から試行的に運用を始め、継続的な改良を加えて19年度から本格運用する。
地震対策では道路啓開計画の深化のほか、首都直下地震に備えた住宅・建築物の耐震化の積極推進、船舶の大量輸送特性を生かした広域的な災害廃棄物処理体制構築を重点対策の代表施策に位置付けている。
道路啓開計画の深化では、緊急輸送道路で1日以上の通行止め個所が多発するなど、熊本地震での課題を踏まえ、さまざまな震源を想定した啓開路線や集結拠点の検討、橋梁の耐震対策、液状化対策の実施状況の確認などに取り組む。
住宅・建築物の耐震化では、20年の耐震化率95%という目標達成に向け、改正耐震改修促進法の円滑な運用を図るとともに、耐震診断、改修にかかる所有者の経済的負担の軽減と耐震化に関するさらなる情報提供を充実させる。
船舶の大量輸送特性を生かした広域的な災害廃棄物処理体制構築に向けては、港湾を活用した広域処理に当たっての課題を整理した上で、課題解消に向けた対策や対策の実効性向上に必要な関係者の体制、役割分担について検討する。
主な新規重点対策は次のとおり。
〈水災害対策〉地下街・地下鉄駅、接続ビルなどへの止水板設置の促進▽地下鉄駅などの浸水対策▽港湾BCP(事業継続計画)などを活用した臨海部における民間企業との連携強化▽洪水危険度の見える化を図る技術の開発▽「ダム再生ビジョン」の策定による既存ダムの徹底活用。
〈地震対策・南海トラフ〉下水道施設の耐震化促進▽災害時に活用可能な民間物資拠点の再整理と新規追加促進。
〈同・首都直下〉急傾斜地崩壊対策事業による都道府県の取り組み推進▽河川・海岸堤防などの嵩上げ・耐震化、水門などの自動化・遠隔操作化推進。
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