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社会保障費の絞り込みがカギ 財政再建の姿勢どこまで強く示せるか20160901Sankeibiz

 2017年度予算の概算要求は、高齢化に伴う医療費などの増加を背景に3年連続で100兆円の大台を超えた。財務省は年末にかけての予算編成で5兆円程度を削りたい考えで、歳出の3割を占める社会保障費の絞り込みがカギとなる。ただ、保育の充実などをめぐる与党などの歳出圧力は強い。消費税増税再延期などで歳入が制約される中、財政再建への姿勢をどこまで強く示せるかが焦点だ。

 厚生労働省は概算要求で高齢化の進展に伴う社会保障費の伸びを6400億円と想定する。政府は財政健全化計画で16〜18年度の伸びを1.5兆円(年約5000億円)に抑える目安を掲げており、1400億円程度圧縮する必要がある。だが、17年度は診療報酬など予算を大きく抑えられる改定作業がなく、目安を達成するのは容易ではない。

 さらに、政府・与党の歳出圧力も強まっている。消費税増税が29年4月から2年半再延期されたにもかか関わらず、増税と同時に実施予定だった社会保障の充実策は、増税を待たずに実施するよう求める声が根強い。

 政府は保育の受け皿を計50万人分拡大する運営費約1000億円の財源を社会保障効率化で賄う方針だが、本格調整はこれからだ。公明党が求める低所得者の介護保険料軽減などは、財源調整が難しそうだ。

 安倍晋三政権の看板政策「1億総活躍社会」の実現に向け、返済不要の給付型奨学金などの施策も要求項目に並ぶが、財源のめどが立たないものも多い。

 財政健全化計画では、基礎的財政収支を20年度に黒字化することを目指す。しかし内閣府の試算では、高成長下でも20年度に5.5兆円もの赤字が残る。

 世界経済の減速や円高で企業収益が減り税収が頭打ちとなる懸念も浮上。24日に閣議決定した16年度第2次補正予算案では財源不足を建設国債の追加発行で補い、国債発行総額は4年ぶりに増えることになる。赤字体質からの脱却に向け、社会保障費を中心に歳出を抑える構造改革が問われている。(中村智隆)


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