|
外務省、JICA/ODA従事者の安全対策決定/受注企業関係者の緊急退避を総合支援20160902建設工業
◇JICA、中小向け費用負担
外務省と国際協力機構(JICA)は、政府開発援助(ODA)で行われる途上国のインフラ整備事業に従事する邦人の安全対策を決めた。受注する建設会社の費用負担ができる限り生じないように対策を強化。テロなどの危機発生後に受注企業の全関係者を緊急退避させる際、外務省とJICAが総合的に支援する。特に負担がかかる中小規模の企業には、JICAが退避経費の一部を手当てする新たな支援策も設ける。
安全対策は、岸田文雄外相をトップとする外務省とJICAが共同で設置した「国際協力事業安全対策会議」がまとめた最終報告に当たる。同会議は、7月にバングラデシュの首都ダッカで起きたテロ事件で建設コンサルタントの社員ら日本人7人が犠牲になったのを受けて発足した。
主な対策を見ると、危機発生後はODA受注企業の全関係者を国内外の安全な場所に速やかに退避させるため、外務省とJICAが相手国政府との調整も含め可能な限りの支援を行う。中小企業の緊急退避支援では、経費の一部をJICAが手当てする措置も設ける。具体策やスキームは今後詰める。
平時からの対策では、円借款事業で日本政府が相手国に必要な安全対策経費を計上するように求めていく。施工者などを決める入札では、応札額に十分な安全対策経費を計上している企業を評価することも要請する。相手国の治安情勢が悪化して工事が遅延した場合、損害金を受注企業に請求しないよう求める。
円借款事業では、相手国によっては債務の増加を懸念して十分な安全対策経費を計上することに理解が得られないケースも多いという。
無償資金協力事業では、国際的な規定がない相手国政府による安全対策の責務を新たに明示する共同文書の作成などを進める。その上で、受注企業が十分な安全対策費を計上でき、工事中断時に追加的に生じる費用負担に、あらかじめ計上している予備的経費を充てられる現行ルールをあらためて周知する。
特にテロなどのリスクが今後高い国や地域でのODA事業の工事現場や受注企業の事務所や宿舎、移動経路などでは、配置する在外公館・JICA保有(リース含む)の防弾車や通信機器、警護員などを増強する。政府はこれらの経費として16年度第2次補正予算案に約10億円を計上した。
|