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千葉県内主要駅−大手百貨店撤退相次ぐ/郊外型SC台頭で競争激化/どうなる跡地利用20160909建設工業
千葉県内の主要駅周辺で、大手百貨店の撤退が相次いでいる。三越伊勢丹ホールディングス(HD)は7日、JR千葉駅近くの「三越千葉店」を来年3月に閉店すると発表。同店に近接する「千葉パルコ」は11月末、JR柏駅前の「そごう柏店」は月内の営業停止が既に決まっている。いずれも撤退理由は売上高の減少としているが、その背景には郊外型の大型ショッピングセンター(SC)の台頭などによる競争の激化がある。
1984年に開店した三越千葉店(千葉市中央区富士見2の6の1、売り場面積延べ2万4787平方メートル)は、バブル崩壊を契機に売上高が低迷し、赤字が恒常化。今年3月期の売上高はピーク時(91年)の500億円の約4分の1に当たる126億5600万円にまで減少した。三越伊勢丹HDは、「将来的に収益の改善が見込めない」(幹部)と判断し、閉店を決めた。
閉店後は、現店舗の周辺にギフトや学生服などを専門とする小型サロンを設置する。現店舗の建物は三越伊勢丹HDが賃借しているため、オーナーが閉店後の跡地活用の方針を決める。
三越千葉店から約300メートルの位置にある千葉パルコ(千葉市中央区中央2の2の2、売り場面積延べ4万平方メートル)は、76年にファッションビルとして開店した。運営するパルコによると、収益力を向上させるための施策を講じてきたが、売上高はピーク時(91年)の232億3900万円から57億円(14年度)に減少し、15年2月期には減損損失を計上した。同ビルには同社をはじめとする複数の権利者がいるため、跡地の活用方針は権利者間で検討する。
JR柏駅前のそごう柏店(柏市柏1の1の21、売り場面積延べ3万2593平方メートル)は、駅東口市街地再開発事業の核店舗として73年にオープン。2003年に全館をリニューアルしたが、今年2月期の売上高は115億円でピーク時(91年)の590億円から大幅に減った。人件費やコストの削減を断行したが、抜本的な収益改善には至らなかったという。
バブル崩壊後、地方都市を中心に百貨店の撤退は少なくなかったが、直近に営業停止する3店舗はいずれも首都圏の主要駅の周辺に位置。政令市の千葉市はもちろん、柏市もつくばエクスプレス(TX)の開業以降、同線の駅がある北部地域を中心に人口が増加している。
人口増加に反比例して売り上げが減る理由として、3店舗を運営する企業の関係者は「2000年以降に郊外型の大型SCの出店が増え、マーケット構造が変わった」(パルコ広報)と口をそろえる。
三越千葉店と千葉パルコから10キロ圏内のJR京葉線海浜幕張駅周辺は「イオンモール幕張新都心」(千葉市美浜区)、そごう柏店の5キロ圏内ではTX沿線駅に「流山おおたかの森S・C」(流山市)、「ららぽーと柏の葉」(柏市)といった大型の複合商業施設が出店し、しのぎを削っている。
こうした施設の進出によって競争が激化するとともに、百貨店が扱う高額商品よりもSCで販売する日用品の方が来店頻度が高まるという特性もあり、顧客が大型SCに流れ込んでいる。
このほか、三越千葉店と千葉パルコの関係者は、JR千葉駅で進む再開発事業によって商業ビルの機能が増強され、今後は競争に一層拍車が掛かるとみている。
郊外型の大型SCの出店や主要駅の再開発事業は、他の地方都市でも進められている。主要駅周辺からの大手百貨店の撤退は、千葉県内にとどまらず全国的な広がりを見せそうだ。
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