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熱中症予防−ツールのトレンドは「着用型」/建設関連各社、残暑に対策万全20160913建設工業

 まだまだ熱中症対策が必要−。日本気象協会(東京都豊島区、石川裕己会長)が発表した9月の気温傾向によると、全国的に気温の高い状態が続き、昨年よりも残暑が厳しくなるという。今月も中盤に差し掛かり、朝晩は涼しく感じられる日も増えてきた。だが日中の最高気温が30度を超える日もあり、建設現場で働く人にとっては油断できない状況が続いている。

 建設業界では、こまめな水分補給の徹底など従来型の熱中症対策に加え、夏場の建設現場向けに、さまざまな熱中症予防ツールが新たに導入されている。今年は送風機を搭載したベストや保冷剤を入れたリュックなど、「着る」熱中症対策が相次ぎ登場した。

 鹿島は、プロップ(東京都新宿区、市村良子社長)と安研(東京都千代田区、虫明清一社長)、大興物産(東京都港区、守屋繁充社長)と共同で、送風機を装着したベスト「スズフィール」を開発した。背面に付けた送風機で外気を取り込み、パイプを通じて首元に送ることで、体内に蓄積した熱を効率よく放散し、体の内部の温度の上昇を抑制できるという。

 清水建設は、工事現場でかぶる軽量で通気性に優れた新型ヘルメットと体温の上昇を抑える空調服を今夏から導入した。ヘルメットは保護具メーカーの谷沢製作所(東京都中央区、谷澤和彦社長)との共同開発で、固定用ライナーに衝撃吸収機能を付けて発泡スチロールを取り除くことにより、通気性を格段に向上させた。

 背中の部分に冷凍した保冷剤を入れて熱中症を防ぐリュックサック「クールリュック」を開発した山本縫製工場(香川県坂出市、山本益美社長)。綿の7倍の保水力がある特殊吸水繊維素材で背中の汗と保冷剤に付着する結露を吸収する。表面には吸水性などに優れた素材を使用しているため、蒸れやあせもになる心配がないという。

 現場に設置する熱中症対策の装置も進化している。流機エンジニアリング(東京都港区、西村司社長)は、トンネル坑内などスペースに限りがある現場向けに急速冷風ブース「オアシスシャワー」を開発した。外気温より10度以上低い冷風を約90センチ四方のボックス内に流し込み、その中に作業員が入ることで素早く涼が取れる。

 現場の作業員の健康状態を把握することで、熱中症を未然に防ぐ動きも広がりつつある。安藤ハザマはTAOS研究所(横浜市港北区、苗鉄軍社長)と共同で、ヘッドバンド型のウエアラブルセンサーで作業員の脈波と体温をリアルタイムで測定する「Vital Eye」を開発した。コモドソリューションズ(東京都渋谷区、上杉秀樹社長)は、熱中症の危険度をIoT(モノのインターネット)で遠隔監視するサービスを始めた。

 ユニークな取り組みも目立つ。三和建設(大阪市淀川区、森本尚孝社長)は、日用品大手ユニリーバ・ジャパンが提唱する「着帽手当」を導入した。企業が帽子やヘルメットをかぶって働く社員に頭皮ケアシャンプーを支給する制度で、同社は建設現場に従事する社員と作業員にシャンプーを支給している。一部の現場事務所では共用のシャンプーを設置し、昼間の休憩時間に水でシャンプーすることも奨励している。


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