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現場の働き方改革に本腰/ICT活用は必須条件/国交省20160915建設通信
【i−Conで生産性向上】
i−Construction(アイ・コンストラクション)の推進によって、2025年までの10年間に建設現場の生産性を飛躍的に高めていく方針を打ち出した国土交通省。「2割」という目標値がもたらすものとは−−。「生産性」に着目した昨今の建設産業界の大きなうねりは、ICT(情報通信技術)の活用が建設現場にとって必須条件となる日が近づきつつあることを予感させる。
生産性の向上がこれからの建設産業にとってキーポイントであるという事実に異論はないだろう。
人口減少や高齢化を背景に、中長期的に予測されている担い手の減少を打破するには、現場の生産性を高める、すなわち従来よりも少ない人数、少ない工事日数で同じ工事量をこなす、1人当たりの仕事量(生産性)の向上が求められる。
それを実現する手段が、ICT土工(ICTの全面的な活用)に代表される『i−Con』の推進だ。ICTの導入によって技能労働者の減少を補完する「省人化」と、現場作業の高度化・効率化によって工事日数を短縮する「工事日数の短縮(休日の拡大)」の両輪が、建設現場の生産性を高める要になる。
今年度からスタートを切ったICT土工は約720件以上の工事を対象に実施を予定。16年度の第2次補正予算による積み増しも加味すれば、その件数はさらに拡大する見込みだ。今後、3年以内に土工以外の橋梁、トンネル、ダムや維持管理に対象を拡大する方針も打ち出されるなど、ICTの活用はこれからの建設産業にとって既定路線と言っていい。
実際に地域の建設企業も「将来的にi−Constructionが一般化されることは間違いない」と、その対応には余念がない。「いまはICT建機の価格だけをみても、工事の規模によって、対応にかかるコストがペイできないケースもあるが、一般化されてくれば当然、その問題も解消されてくる」と将来的な一般化は必然とみている。
その一般化への流れをつくるのは、10月の準備会、12月以降の設立が予定される『i−Construction推進コンソーシアム』だ。推進体制の柱として建設分野だけでなく、AI(人工知能)やロボット技術など各分野の産学官が連携することで、異分野の最新技術を建設現場に取り込む役割を担う。
人にとって代わるとは言わないまでも、AIやロボット技術など省人化のツールをどう効果的に活用して、生産性の向上(省人化)に結び付けていくのか。これに日給月給制の問題など、現状では休日の拡大が収入を減らす要因になってしまう技能労働者の処遇改善が合わさってこそ、10年後に「2割」という建設現場の生産性向上は実現される。まだ緒についたばかりと言える「i−Construction」は加速度的な展開を見せている。
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