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自主行動計画策定の可能性/適正取引と付加価値向上/自工会に続き建設業界も20160916建設通信
世耕弘成経済産業相は、15日に開いた経団連、日本自動車工業会との懇談会で、親事業者と下請事業者双方の適正取引や付加価値向上、サプライチェーン全体にわたる取引環境の改善を目的とした『未来志向型の取引慣行に向けて』(世耕プラン)を発表した。プランは、下請構造を持つ産業界に対して、サプライチェーン全体での取引適正化と付加価値向上に向けた自主行動計画の策定と着実な実行を要請することなどが柱。政府全体として下請けなど中小企業の取引条件改善を強力に推し進めていることから、建設産業界でも自主行動計画の策定を求められる可能性が出てきた。
世耕経産相は、経団連との懇談会の中で「中小企業の取引条件を改善して賃上げにつなげ、地域経済を活性化することが重要だ」と述べ、中小企業が賃上げできる環境を整えるため、大企業との取引で不利にならないよう条件改善に取り組むことを要請した。自工会に対しては自主行動計画の策定を要請し、自工会側が計画策定を表明した。
経済産業省では、「下請ガイドライン」を策定している建設業など16業種のうち、自動車産業界を皮切りに、幅広い下請構造を持つ製造業の業界団体に対して、今後、自主行動計画策定を順次要請する。計画は2016年度内に策定してもらう。次回の「下請等中小企業の取引条件改善に関する関係府省庁等連絡会議」(開催日程未定)で、プランの内容を経産省が説明し、関係府省庁に自主行動計画策定を呼び掛ける。
連絡会議では、取引条件改善に向け、初弾で建設業と自動車関連産業、第2弾で製造業とトラック運送業の調達部門責任者を対象に大企業ヒアリングを実施していた。ヒアリング結果と連絡会議決定を踏まえ、既に国土交通省では、ほかの業種に先駆けて、建設業における下請指導ガイドラインを改定済みだ。
こうした政府全体の取り組みを踏まえると、建設産業界にも自主行動計画の策定を要請される可能性がある。
プランは、▽公正な取引環境実現▽親事業者・下請事業者双方の適正取引、付加価値向上につながる取引慣行の普及・定着▽サプライチェーン全体にわたる取引環境の改善と賃上げに向けた環境整備−−の3つの基本方針を掲げ、価格決定方法の適正化、コスト負担の適正化、支払い条件の改善を重点課題に位置付けて政策を実行していく。
具体的には、業種別の自主行動計画策定のほか、下請代金法の運用強化に向けた運用基準改正、下請中小企業振興法の振興基準改正による適正取引などの促進、約50年ぶりに見直す下請代金支払条件改善通知での手形支払い期間短縮などがある。基準類は年内をめどに改正する予定だ。
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