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国交省/建設産業 海外進出を支援/新興国との環境改善急務20160920建設通信
【2017年度に日・比二国間会議】
国土交通省は、建設産業の国際化の推進として、建設企業やディベロッパーなど不動産業の海外展開に力を入れる。相手国との関係性の構築など、国策として海外展開への基盤整備を進めることで、国内企業の海外進出を後押しする。2017年度予算の概算要求に建設・不動産企業のための海外ビジネス環境の整備として4000万円を計上。新たにフィリピンとの二国間建設会議の立ち上げを見込む。
取り組みの柱は、▽二国間建設会議などによる二国間の枠組みの構築・関係強化▽新興国でのビジネス環境改善につながる関連制度の整備・普及支援の拡充▽海外進出する企業に対する情報提供の重点化・高度化−−の3点。
入札によって品質や技術といった日本の強みが評価されていない、あるいは土地取得に時間を要することでインフラ整備が円滑に進まない、建設業許可制度がないために悪質な事業者が排除されないなど、建設産業や不動産業に関連する制度が十分に整備されていない新興国におけるビジネス環境の改善が急務と判断した。
国策としてこのビジネス環境の改善を働きかけていくことで、国内企業の海外進出につなげる。
「日・越(ベトナム)」「日・尼(インドネシア)」などで開催している、建設分野に関する日本と相手国の連携や協力を深める二国間建設会議の枠組みを活用して、新興国に日本が持つ関連制度の普及を促す。相手国のニーズに沿ったセミナーの開催や専門家の派遣など、制度構築の川上段階から関与していくことで、国内企業が進出しやすい“日本式”のビジネス環境をつくり出す算段だ。
新たにフィリピンをターゲットに「日・比」による二国間建設会議の立ち上げを見込む一方、関連制度の整備・普及への支援として、建設リサイクルを含めた環境に関する法制度の構築を見込むタイに再生アスファルト(剥がしたアスファルトの再資源化)といった日本式の再資源化技術や制度を売り込む。
政府が「20年に30兆円のインフラシステム受注」という目標を掲げるように、急速な拡大が見込まれる海外需要の取り込みは重要課題の1つ。現状の建設産業における海外事業の占める割合は決して大きくはないが、国内と海外の今後のインフラ需要を踏まえれば、ポスト五輪を見据えた企業自身の国際化への準備が求められている。
一方で、関連制度の整備が十分ではない新興国における海外事業は、一方的かつ片務的な契約を強いられるなど、民間の自助努力のみでは対応できないリスクが存在していることも事実。 多国間あるいは二国間の国際交渉を活用した取引ルールの確立や関連制度の整備といったビジネス環境の改善は、 海外に打って出ようとする国内企業にとっては間違いなく追い風になる。
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