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経産省/廃炉支援、事業再編を議論/東電改革・1F問題委設置20160921建設通信
【エネ調査会に政策小委も】
世耕弘成経済産業相は20日の閣議後記者会見で、東京電力ホールディングス(HD)の経営改革を検討する「東京電力改革・1F問題委員会(東電委員会)」を設置すると発表した。東京電力福島第一原子力発電所の廃炉費用や賠償、除染費用の支援と、東電HDの事業再編を含む経営改革を一体で議論する。10月初旬に初会合を開いて検討を始め、年内をめどに提言の原案をまとめる。検討結果は、建設産業界がかかわる廃炉や除染などにも影響を与えることになりそうだ。
東電委員会の事務局は、経済産業省資源エネルギー庁と原子力損害賠償・廃炉等支援機構が務める。委員は日本商工会議所の三村明夫会頭や経済同友会の小林喜光代表幹事ら財界人、大学教授など10人で構成する。東電HDの広瀬直己社長もオブザーバーとして参加する。
世耕経産相は会見の中で、「事故収束も道半ばにある一方、賠償や汚染など事故に伴う費用は増大し、東京電力の競争力確保は途上にある。放置すれば、事故収束や福島復興の歩みが滞りかねない」と現状認識を示した上で、「難しい課題に解を見いだし、東電改革の具体策を検討するために委員会を設置する」と述べた。
廃炉費用の支援は、国民の負担増につながる可能性があることから、幅広い観点で検討を進める。また、議論次第では、8月に政府が方針を示した原発事故による「帰還困難区域」の復興拠点における除染と一体で進める道路などのインフラ整備の費用負担のあり方も取り上げられる可能性がある。
東電HDは、委員会の提言原案を踏まえ、年明けにも再建計画である「新・総合特別事業計画」(新総特)を改定し、「新々総特」を作成する予定だ。
また、世耕経産相は、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の下に、「電力システム改革貫徹のための政策小委員会(改革小委員会)」を設けて、27日から検討を開始することも、20日の閣議後記者会見で明らかにした。改革小委は14人で構成し、小委員長には山内弘隆一橋大大学院教授が就く。年内に検討成果を中間報告としてまとめることを目指す。
3段階の電力システム改革は、ことし4月に小売りの全面自由化が始まり、既存電力会社間の競争や新規参入などが進んでいる。ただ、改革の果実を消費者に還元をするためには、さらなる総合的な改革の実行が必要だと判断し、改革小委を設け、競争活性化方策と、競争下の中でも防災など公益的な課題に事業者が取り組む仕組みを議論する。
具体的には競争活性化策として、現在は既存電力会社がほぼ独占的に保有する石炭や水力のベースロード電源に新規参入者もアクセスできるように措置することや送電網へのアクセス確保策を検討していく。
また、自由化の下での公益的課題対応では、安全、防災、廃炉、事故収束、CO2削減への対応、再エネ拡大など、広域的な対応が促される仕組みを整理する。
世耕経産相は、会見の中で「産業界や学識経験者など多様な分野から意見をいただき、さまざまな対応策の可能性を徹底的に検討してもらいたい」と述べている。
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