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小堀研・武村名大教授/関東大震災の余震解明/被災度判定に成果反映20161003建設通信
小堀鐸二研究所(本社・東京都港区、五十殿侑弘社長)は武村雅之名大教授と共同で、関東大震災の本震後に3度起きた大きな余震のメカニズムを解明した。この余震により都心部被害が拡大し、山梨県側では本震よりも揺れが大きかったことを突き詰め、震源域が内陸まで潜り込んでいる場合には、余震が内陸直下でも起こりやすく、被害拡大につながる恐れを指摘する。ここで得た繰り返し地震の影響を耐震設計の被災度判定に反映する方針だ。
1923年に発生した関東大震災の揺れは、建物の考慮すべき入力地震動として注目されているが、これまではマグニチュード7.9を記録した本震についての分析が中心だった。余震は1時間後以内に3度に渡って立て続けに起きている。震源位置も含め、余震のメカニズムを解明したのは今回が初めてという。
両者は岐阜測候所に残っていた観測波形を手がかりに余震の地震波生成域を特定し、震度分布についても評価した。神奈川県西部で発生した本震の3分後に起きた余震(A1)の震源地は東京湾北部でマグニチュード7.2規模、5分後の余震(A2)は山梨県東部で7.3規模、51分後の余震(A3)は東京湾で7.1規模と導き出した。
震度分布を再現した結果、東京都心部や埼玉県側では本震よりも余震(A1)の方が震度が大きく、都心被害は震災によって拡大したほか、山梨県側では本震よりも余震の揺れが大きかったエリアもあったと結論付けた。4月の熊本地震では益城町で震度7を2度観測した。小堀研は「内陸地震だけでなく、関東大震災のような海洋型でも震源域の場所によっては内陸部での余震が発生する可能性が高い」(神田克久執行役員構造研究部統括部長)と指摘する。
地震工学のエンジニアリング会社である同社は、一連の成果をモニタリングシステムを用いた被災度判定に活用する。余震まで含めた長時間の揺れを考慮した鉄骨の疲労や破断対策に加え、長周期地震動対策などにも反映できるとしている。また、5日には名古屋市の名古屋国際会議場で開かれる日本地震学会大会で研究の詳細が発表される。
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