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公共建築のあるべき姿示す/最終的な責任は発注者に/国交省20161017建設通信

【共通認識として“自覚”促す】
 事業の実施に関する最終的な決定権と、その決定に伴う責任は発注者にある−−。国土交通省官房官庁営繕部は最終的な決定権者として公共建築の発注者が果たすべき役割を示す。 品質を求めれば、コストが上がる。 コストや工期を抑えようとすれば、品質への影響が懸念される。この「品質」「コスト」「工期」のバランスをとって判断できるのは、 発注者にしかいない。 それを改めて打ち出す形となる。
 14日の社会資本整備審議会・建築分科会「官公庁施設部会」(部会長・大森文彦東洋大教授、弁護士)に、公共建築工事の発注者が果たすべき役割や、その役割を果たすための手段となる方策を盛り込んだ答申骨子(素案)を提示した。

 マンパワー不足が顕在化する市区町村などの自治体に、発注者のあるべき姿を示すことで、公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)に規定する発注者の責務を確実に果たしていける環境を築く。主に税金によって行われる、あるいは社会的かつ政策的な要請を着実に施設整備に反映させていくことが求められる「公共建築」だからこそ、すべての発注者が持つべき共通認識を発注者の役割として明確に打ち出す。

 それは薄れつつある発注者としての“自覚”を呼び覚ます意味合いも持つ。

■基本的・普遍的な役割を明記
 予算制度の制約を受ける公共建築は、 設計業務を発注する前に建築物の規模や工事費、工程スケジュールといった事業の大枠が決まるケースが多い。 設計を進めながら、その規模やスペックを固めていくこともある民間建築とは異なる。 この特殊性は調査・企画の段階から施設管理者(事業部局)や施設利用者、周辺住民、 政策的な要請といった多様なニーズを設計業務の 「発注条件」として落とし込んでいくことを意味する。

 「品質」「工期」「コスト」の3大要素のバランスをとりながら、事業の目的や関係者の要求を満たすものへと総合調整する能力は、「発注条件の明示」として公共建築の発注者に求められる根幹的な役割となる。設計者や施工者の選定と合わせて、それを発注者の基本的かつ普遍的な役割として答申に書き込む。

■国の技術基準総点検・改定
 国の各省庁や都道府県、市町村など、発注者によって人員を含めた体制や技術力にばらつきがある中で、その役割を果たすための環境整備や支援方策は必須の課題になっている。

 特に新築から改修・改築へと、その軸足の位置が移りつつある状況は、工事内容の複雑化・多様化として、マンパワー不足に悩む自治体に重くのしかかる。

 その課題を解消する方策として示すのが、発注者間の協力・連携の強化と受発注者間の技術対話の促進だ。すべての公共建築の発注者にとって事業実施のベースとなる技術基準等の総点検を実施。必要に応じて改定を行う一方、体制が脆弱(ぜいじゃく)な自治体であっても、その技術基準を使いこなせるように概要やポイントの明示、解説やFAQの作成・共有化に乗り出す。

【次回会合で答申(素案)】
■社整審・建築分科会「官公庁施設部会」
 石井啓一国交相が6月に社会資本整備審議会に対して「官公庁施設整備における発注者のあり方について」を諮問。社会資本整備審議会から付託を受けた建築分科会「官公庁施設部会」が、答申の基軸となる「公共建築工事における発注者の役割」と「発注者が役割を適切に果たすための方策」をテーマに検討を進めている。11月下旬に予定する次回の会合で答申(素案)を提示、年内に答申のとりまとめを目指す。


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