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産学官で建設現場を生産性革命/2016年内にも連携組織/国交省20161019建設通信
【建設以外企業含め広く公募】
国土交通省は、建設現場に“生産性革命”をもたらすi−Construction(アイ・コンストラクション)を推進する仕組みとして、年内にも産学官の連携による『i−Construction推進コンソーシアム』を立ち上げる考えだ。18日に準備会を開催して規約や推進体制を固めた=写真。準備会の開催をきっかけにコンソーシアムの設立に向けた準備作業が本格化することになる。
官民連携コンソーシアムの設立は、「i−Construction委員会」(委員長・小宮山宏三菱総合研究所理事長)がことし4月にまとめた報告書に提言として盛り込まれた事項の1つ。「働き方改革実現会議」や「未来投資会議」など“生産性革命”に向けた政府全体の動きが活発化する中、この推進コンソーシアムが建設産業における生産性革命の司令塔を担う。
労働力人口の減少に直面するわが国、ひいては建設産業にとって生産性の向上は必須の課題。調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新に至るまですべての建設生産プロセスにICT(情報通信技術)を導入するi−Conの推進によって、技能労働者の減少を補完する「省人化」と、現場作業の高度化・効率化による「工事日数の縮減(休日の拡大)」を狙う。結果として、生産性が高い魅力的な建設現場の創出を目指す。
推進コンソーシアムは産学官の連携体として組織する。会員は、12月から建設業団体や調査・測量、設計、施工、維持更新を担う建設関連企業だけでなく、IoT(モノのインターネット)やロボット、AI(人工知能)、金融といった建設分野以外の関連企業を含めて広く一般から公募する方針。学会や大学といった有識者、国や自治体などの行政機関も参画する。
全体のマネジメントを行う企画委員会(準備会を発展的に改称)の下に、新技術の発掘や企業間連携を促す「技術開発・導入ワーキンググループ(WG)」、 蓄積する3次元データの利活用ルールやデータシステムの構築を検討する「3次元データ流通・利活用WG」、海外展開を見据えた国際標準化を担う「海外標準WG」を置く。3つのWGを軸に万全の推進体制を敷く。
事務局は官房技術調査課が担当。制度・基準づくりや企業間連携の場の提供など、コンソーシアムの取り組みを強力にバックアップしていく。
先導的な取り組みが進む「土工へのICTの全面的な活用(ICT土工)」を皮切りに今後、3年以内に橋梁・トンネル、ダムや維持管理など、土工以外での積極的なICTの活用を目指す中、技術開発・導入WGを中心にニーズとシーズのマッチング、社会実装に向けた制度や基準類への対応など“i−Con拡大”への道筋を描く。
焦点となる3次元データの利活用は、データの権利(所有権)やセキュリティーの課題を解消した先に調査・測量、設計、施工、維持管理といった建設生産プロセスの各段階におけるデータの集積・共有を図る一元的な管理システムを構築。格納するデータの一部をオープンデータ化することで、施工管理の高度化、資材・機材のサプライチェーンマネジメントの導入、AI・ロボット開発への活用、地図関連アプリなどの国民サービスや災害対応といった行政サービスなどへの展開も見込む。
■『i−Construction推進コンソーシアム』準備会(敬称略)
▽安宅和人(ヤフーチーフストラテジーオフィサー)▽小澤一雅(東京大学大学院工学系研究科教授)▽仮屋薗聡一(日本ベンチャーキャピタル協会会長)▽北野宏明(ソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役社長)▽小宮山宏 (三菱総合研究所理事長) ▽鈴木祥治(富士通研究所取締役兼応用研究センター長)▽建山和由(立命館大学理工学部教授) ▽田中里沙(宣伝会議取締役メディア・情報統括) ▽冨山和彦(経営共創基盤代表取締役CEO)▽藤沢久美(シンクタンク・ソフィアバンク代表) −−のi−Construction委員会のメンバーに関連業界団体などで構成。 推進コンソーシアムの方向性や方針などを議論する。
設立のタイミングで執行機関となる企画委員会に改称。コンソーシアム全体の事業計画や予算など運営の中核を担うことになる。
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