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ゼネコン/中間貯蔵受注へ臨戦態勢/技術競争の様相色濃く/輸送、分別をトータル提案20161020建設通信

 福島第一原子力発電所事故に伴う除染後の除去土壌を保管する「中間貯蔵施設」建設に向け、ゼネコンが受注提案への臨戦態勢を整えている。ことし6月に初弾工事が発注され、用地取得の進ちょくに合わせ、新たな発注の動きが今後本格化することが背景にある。「2016年度中にも次の発注がある」との見方もあり、既に各社は除去土壌の輸送から受け入れ、分別、さらには貯蔵施設の計画立案までをパッケージ化したトータル提案を確立済み。技術競争の様相が色濃くなっている。

 福島県の大熊町と双葉町にまたがる約1600haで中間貯蔵施設建設の用地取得が着々と進行している。6月には土壌貯蔵施設建設の初弾工事を双葉町で前田建設・奥村組・鴻池組JV、大熊町で清水建設・竹中土木・東洋建設JVが受注した。除染後の除去土は全体で2200万m3にも達するとみられ、中間貯蔵施設の早期発注や建設が強く求められている。

 工事発注の本格化が期待されている中間貯蔵施設は、建設工事を行う単純な枠組みにとどまらない。仮置き場から安全に輸送し、汚染土の分別品質に加え、土壌貯蔵の長期保管に耐えられる健全性も強く求められるだけに、技術をパッケージ化したトータルの提案力が決め手になる。

 除去土壌中に混在する可燃物の分別も各社によって技術が異なるように、一つひとつの技術的な工夫が随所に見られる。大林組は従来の回転ふるい機による分別では作業精度に加え、目詰まりなどの手戻りが発生することから、エアー照射と分別効率を高めるリフター構造を搭載した独自のふるい機を開発済み。清水建設も同様に噴射による目詰まり処理を行うが、解破羽付ドラムを設置することで分別精度を高める技術を確立した。

 輸送では、鹿島が車両管理にリアルタイムで運行状況を把握できる管理システムなどを開発済みのように、安全な大量輸送実現が各社の共通する技術テーマになっている。仮置き場に積まれた土嚢袋を荷台に積んで輸送することになるだけに、大成建設は袋の破損にも注意を払い、水分の流出や漏れ出し防止策として折りたたみ式の遮水トレイを開発した。

 初弾工事を担う前田建設JVと清水建設JVは工事着手に向けて設計作業を進めている状況。現場では両JVに環境省を加えた3者で協議が進められ、今後発注される中間貯蔵施設の基準類のすり合わせも進められているという。今後の施設建設の本格化により、輸送から受け入れ、分別さらには貯蔵施設の建設に至るまで、民間企業の独自提案が随所に盛り込まれる可能性があるため、初弾工事をベースに技術水準を合わせる狙いがあると考えられる。

 19日から21日までの3日間、東京都千代田区の科学技術館で開催中の環境放射能対策・廃棄物処理国際展には、大手・準大手ゼネコンが独自の中間貯蔵施設プランを出展。各社が「より安全で合理的な技術を提案している」と口をそろえるように、技術の目的は同じでも手段には各社の独自性が色濃く出ている。総じてパッケージ化した技術プランを確立しており、いつ工事が発注されても技術提案を示せるように各社とも万全の体制を整えている状況だ。


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