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技術者の職務明確化/元下間の合意形成を推奨/国交省/運用マニュアルを改正20161021建設通信
国土交通省は19日に「適正な施工確保のための技術者制度検討会」(座長・小澤一雅東大大学院教授)を開催。基本問題小委員会など、これまでの検討を踏まえて『監理技術者制度運用マニュアル』の改正や技術検定の見直し(2級学科試験の年2回化)に踏み出す一方、建設業法に基づく国家資格(技術検定)がない5業種のうち、特にニーズの高い電気通信工事に関する新たな国家資格の創設に向けて動き出す方針を固めた。
■役割を2種類に大別
2004年に策定した『監理技術者制度運用マニュアル』を見直す。施工体制における問題点となっている監理技術者(元請け)と主任技術者(下請け)の職務(役割)の明確化に取り組む。
請け負った建設工事全体の統括的な施工管理を行う元請けの技術者(監理技術者)と、請け負った範囲の建設工事の施工管理を担う下請けの技術者(主任技術者)の2種類に大別。
基本線として、この2種類に大別するが、建築一式工事における1次下請けの主任技術者であっても電気工事や管工事といった複数工種のマネジメントを行うなど、監理技術者に近い役割を果たす下請けの主任技術者も存在することから、個々の工事ごとにそれぞれの役割を明確化しておく必要があると強調。その現場ごとに元請けと下請けとの間で、あらかじめそれぞれの役割や責任関係の所在に対する合意をとっておくことを求める。方法は規定しないが、施工体系図などを活用して、合意した内容を書面で残すことを推奨する。
■学科試験を年2回に
若年層の入職を促す手段として、技術検定制度の見直しを行う。焦点が2級学科試験の年2回化。17年度から若年層の受験者も多い「土木」と「建築」で先行的に年2回化に踏み出す。試験機関の運営体制や受験者の動向を踏まえながら、段階的にほかの種別を含めた本格実施への道筋をつくる。
受験機会の拡大による「早期の資格取得」によって建設業に入職・在職する動機付けをつくることが狙い。資格の取得が他産業への人材の流出を防ぐきっかけになるとみている。
建築、躯体、仕上げの3種別に区分している建築施工管理技士の学科試験を統合。共通知識を問う設問を増やすことで学科試験を統一化する一方、種別ごとの専門分野は実地試験の段階で問う形に見直す。
また、モチベーションアップの材料として、学科試験の合格者に対する「○○技士補」の付与も検討。更新制の導入や有効期間といった付与後の取り扱いをどう設定するかが今後の論点になりそうだ。
■電気通信に国家資格
実務経験によって監理技術者の要件を設定している機械器具設置、電気通信、さく井、消防施設、清掃施設の5業種のうち、工事量(元請完成工事高)が多い電気通信工事に関する新たな国家資格(技術検定)を創設する。
実務経験によって監理技術者となる割合が高い、この5業種の14年度の元請完成工事高を比較すると、さく井(660億円)や消防施設(620億円)に対して、機械器具設置(2兆5200億円)、電気通信(1兆2640億円)の工事量が突出して多い。
その完成工事高と監理技術者数の推移から、工事量に対して監理技術者の確保ができているかどうかを分析。完成工事高が減少傾向にある機械器具設置工事は監理技術者数が横ばいとなっている一方で、完成工事高が増加傾向にある電気通信工事は監理技術者数が減少傾向となっている。
今後の監理技術者の不足が懸念される中、既存の技術検定の種目で対応することは不可能と判断。電気通信工事を最優先の業種として新たな国家資格の創設に踏み切る。
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