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穿孔速度3割増の新マシン/リニア向け大断面に投入/古河ロックドリル20161021建設通信
古河ロックドリル(東京都中央区)は、リニア中央新幹線工事など大断面の山岳トンネル工事向けに、穿孔速度を3割以上向上させたトンネルドリルジャンボを開発した。穿孔性能を左右する心臓部の油圧機器(ドリフタ)出力を従来より25%向上させ、1分間の打撃数を従来より5割以上増やした4500回強まで高めた。作業を最適化する油圧制御システムも搭載し、ビットの消耗を抑える。手島淳慈生産副本部長は「ハードとソフトの両面から生産性向上を実現した」と説明する。全国の現場で約150台稼働する自社製品の3割を新型に切り換える計画で、ゼネコンへの営業活動をスタートさせた。
新型は、トンネル断面に応じて3タイプを市場投入する。リニア中央新幹線の本坑工事向けには穿孔範囲が幅16.5m、高さ10.5mの大断面まで対応できる3ブーム2ケージのロングタイプを用意した。心臓部の油圧ドリフタには75kW電動モーターを使い、最大出力で25kWを実現した。これまでは55kW電動モーター搭載だったため、最大出力は20kWにとどまっていた。
同社は超硬岩から軟弱な地質まで多様な施工条件でも効率的に穿孔できるようにドリフタ制御の新システムも同時に開発した。回転圧力などの最適化が実現し、エネルギー効率は大幅に向上。ビットなどの消耗スピードを抑え、より効率的に施工できる。
20日に吉井工場(群馬県高崎市)で開かれた穿孔長さ2mの公開性能試験では、従来機と比べて34.3%もの穿孔速度を実現した。同社はゼネコンへの実機説明会をスタートしており、10月末までに19社約190人への実機によるプレゼンテーションを完了する予定。リニア中央新幹線に加え、北海道新幹線や北陸新幹線への工事にも適用を目指している。
販売予定価格は幅13.2m、高さ8.8mの断面範囲に対応するレギュラータイプが2億8500万円。同社は穿孔位置や角度を簡単に誘導できるナビシステムを開発しており、これにより作業の効率化も実現することから、ゼネコンらに新型と併用によって急速施工への対応を提案する。
国内唯一のトンネルドリルジャンボメーカーとして、同社は社を挙げてリニアトンネル工事に対応する。ことし4月には長野県松川町にアルプス出張所を開設するなど、組織の拡充も進めており、リニア工事の神奈川地区では関東支店、名古屋地区では名古屋支店のサービス員を統合管理する広域的なサービス体制も確立した。
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